過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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429:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 07:02:42.37 ID:gz5u5IpNo

 書庫に這い出るとき、埃のせいで咳が出た。
 泥だらけのレインコートをその場で脱ぎ捨てる。

 走ることが嫌になるよりも、ずっと前、あなたはどうしてそんなに醜いの? と母はわたしに訊ねた。
以下略



430:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 07:03:14.58 ID:gz5u5IpNo

 髪型が悪いのかもしれない。骨格が理由なのかもしれない。
 体型かもしれないし、顔つきかもしれない。

 何がそう見せるかは知らない。でも、醜いから、母はわたしを嫌う。
以下略



431:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 07:04:35.01 ID:gz5u5IpNo

 書庫から階段を駆け上がり屋敷の一階に出た。
 地下から出ると、途端に外の明るさが目に突き刺さった。
 廊下の窓から、シラユキが傘をさして中庭に立っているのが見えた。

以下略



432:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 07:05:08.03 ID:gz5u5IpNo

 シラユキは悲しそうな顔をした。もう泣き出してしまいそうな顔。
 今まで彼女は、何度こんな顔をしただろう。何度彼女にこんな顔をさせてきたんだろう。

「どうしたら……」
以下略



433:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 07:05:47.04 ID:gz5u5IpNo

「もう決めたの」

 とわたしは言った。シラユキは混乱した表情でこちらを見る。
 話している時間が惜しくなって、わたしは駆け出した。
以下略



434:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 07:06:54.65 ID:gz5u5IpNo

 わたしは少し笑う。そして、これがわたしだ、と思った。しっかりと見ろ、これがわたしだ。

 手足は細い。運動をほとんどしなかったせいだろう。この世界でもそうだし、現実でもそうだった。
 外に出て遊ぶことが少なかったから、肌だって真っ白だ。
以下略



435:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 07:07:40.85 ID:gz5u5IpNo
つづく


436:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/13(木) 10:00:25.04 ID:ivaUuDgAO

それが歩き方に及ぶとありふれた日常が生き地獄になる


437:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/13(木) 10:44:59.66 ID:YuXuwoqAO


子供の日常も地獄で戦場だけど、楽しく生きる手立てはある。
それを教えられない大人は有能でないと言うしかないが。

以下略



438:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/13(木) 17:48:43.31 ID:jPXIEP5NO
ううむ……
実際にありそうな話だから困る

>>437
それを教えられる(形だけじゃなくて、本質的な意味で)大人がどれだけいるだろうか


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