419:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/12(水) 10:07:42.95 ID:HtFMNJnAO
乙
アヤメはどうしてるんだ…
影の一人語りでアヤメから視点がこれだけ離れたのは初めてだ。
どうかはやまらないで……
420:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/13(木) 00:09:41.86 ID:ivaUuDgAO
乙
語るなぁ。先が怖い
421:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 06:55:13.17 ID:gz5u5IpNo
◇
「ツキは石ころじゃない」
422:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 06:57:31.34 ID:gz5u5IpNo
石の壁。鏡台。絵画。机とティーカップ。自分が座っている椅子。
わたしの目の前には誰の姿もなかった。
423:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 06:58:07.64 ID:gz5u5IpNo
わたしは燭台を掴みあげ、扉に向き直る。
行かなければ、と思う。
そう思うことができる。
424:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 06:59:07.50 ID:gz5u5IpNo
どれだけの決意で臨もうと、世界はそれを無視してあっというまに通り過ぎてしまう。
この世界も、現実も、変わりはない。
ルールが既に決まっていて、わたしはその内側に従うことしかできない。
425:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 06:59:51.32 ID:gz5u5IpNo
蝋燭の灯りを頼りに、わたしは急いで屋敷への通路を辿る。
運動はあまり得意じゃない。走るのは苦手だった。
ずっと昔、現実の学校で、体育の授業のとき、走り方が変だってバカにされたことがあった。
426:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 07:00:19.04 ID:gz5u5IpNo
そのことはちょっとした学級問題にもなった。
たとえ自分が変に思ったことでも、一生懸命にやっている人を笑うのはやめましょう、と先生はみんなに言った。
もちろん、その理屈の方がよっぽど変だった。
427:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 07:01:30.94 ID:gz5u5IpNo
いつも。ずっと。昔から。いつだって、わたしはわたしなりにまともになろうと思っていた。
そのための努力だって必死にしてきたつもりだった。
母がわたしを不快に思うのは、わたしが不快なことをしているからだと思った。
428:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 07:01:57.48 ID:gz5u5IpNo
わたしが走ると、先生は満足そうに笑った。それを聞いて母はほっとした。
クラスメイトたちはわたしを笑っていた。
何も変わらなかった。
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