512:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/17(月) 15:29:13.81 ID:/AhPS2FFo
おつ
513:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/17(月) 22:09:55.73 ID:IMrWsM59o
明日は投下できません
514:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/19(水) 07:52:07.20 ID:mRUgB+/xo
◇
黙り込んでいると、ツキは街の方を振り向いて、焦ったような顔になった。
振り返ると、街の人々が何人か連れ立ってこちらに向かってきているようだ。
515:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/19(水) 07:52:33.23 ID:mRUgB+/xo
どうしてこんなことになったんだろう?
わたしはここに来ることで救われるはずなのに、何もかもが致命的に狂ってしまっている。
これでは現実に生きるのと変わらない。
516:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/19(水) 07:53:26.87 ID:mRUgB+/xo
シラユキと話がしたかった。
どういうことなのか説明してほしかった。
ツキはわたしを現実に帰らせようとしている。わたしは帰りたくない。
517:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/19(水) 07:54:25.46 ID:mRUgB+/xo
もういいか、とわたしは思った。
無理して考えたりしなくたっていい。もう事態はわたしの手には負えない。
唯一、ツキのことだけはどうにかできるかもしれないと思ったけど、それだってこのありさまだ。
518:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/19(水) 07:55:03.21 ID:mRUgB+/xo
考え始めると、彼がこの場所にいるのはとても不思議なことのように思えた。
どうやってここに来たのか。どうしてここに来たのか。
なんだか、とても不思議なことに思えた。
519:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/19(水) 07:55:40.15 ID:mRUgB+/xo
ツキは怪訝そうな顔になる。わたしは少し不安になった。
わたしはまた変なことを言ってしまったのだろうか。
そんなふうに不安に思うことを、ずっと続けてきたような気がする。
520:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/19(水) 07:56:08.31 ID:mRUgB+/xo
「聞いてもいい?」
「なに?」
521:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/19(水) 07:56:42.06 ID:mRUgB+/xo
しばらく、わたしたちは黙り込んだまま歩いた。
彼はわたしの腕を引いたままで、雨は降ったままで、なにも変わっていなかった。
世界がこの場所だけで完結しているような気がした。
522:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/19(水) 07:57:24.06 ID:mRUgB+/xo
ふと立ち止まったかと思うと、彼はわたしを振り向いた。
右手で拳銃を握り、左手でわたしの腕を握っている。
傘もささず、雨に濡れたまま。
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