537:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/20(木) 03:13:26.59 ID:WU9ARoQ2o
やがて、前を猫は立ち止まった。
代わり映えのしない森の中。さっきまで歩いてきた景色と、何も変わらない。そんな場所だ。
538:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/20(木) 03:13:54.31 ID:WU9ARoQ2o
つづく
539:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/20(木) 12:46:13.23 ID:Fw+d8zG8O
シラユキは何を考えているんだ……?
540:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/20(木) 23:31:21.69 ID:NR+ZotJAO
乙、冥土
541:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:36:26.17 ID:gFrmtBDeo
◇
木の根本に腰を下ろしたツキに近づいて、シラユキは自らの傘を差し出した。
そして鞄の中から大きめの乾いた布を取り出し、ツキに渡す。
542:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:38:00.40 ID:gFrmtBDeo
わたしは少し戸惑った。
隠し事をしているとか言い忘れていたことがあるとか、そういうことなら、別に驚かない。
でも、シラユキがわたしに嘘をつくなんてことを、わたしは想像すらもしていなかった。
543:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:39:33.42 ID:gFrmtBDeo
「何のために、そんなことをしたの?」
「いくつか理由があります。まず、捕らえられた状態からツキを直接救出しようとしたら、結構な労力が掛かるからです。
ツキを助けようと思うなら、一番都合のいい状態は、ツキが処刑される直前だったんです。
544:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:40:10.10 ID:gFrmtBDeo
わたしは息を呑んだ。
急に、目の前の少女が、得体の知れない怪物のように見えた。
「それは、ツキが殺される瞬間を、ということ?」
545:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:41:03.70 ID:gFrmtBDeo
「ツキを助けたい、とは思っていたかもしれません。
でも、ツキを助けるために自分も生き延びる、とまでは考えていなかったように思います。
あのときも言ったと思いますが、それではツキを助けることはできません」
546:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:42:33.83 ID:gFrmtBDeo
「あなたが死に傾けば傾くほど、ツキもわたしも、そうした結果を想像することができました。
擬似的に未来を感じ取ることができたわけです。あなたが死んだ結果として、ツキは死に蝕まれる。
そうである以上、“あなたの死の影響”からツキを助けるには、あなたが死なない以外に方法はないんです」
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