552:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:47:52.67 ID:gFrmtBDeo
537-1 前を猫は → 猫は
つづく
553:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/21(金) 08:59:36.83 ID:spH6hjm8O
なんと
シラユキが世界に綻びを作っていたのか
なら尚更シラユキの正体が気になるな
554:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 03:54:00.09 ID:CnjYFZl7o
◇
シラユキの話をそこまで聞いたとき、頭に鈍い痛みを覚えはじめた。
ツキはまだ座り込んでいる。シラユキは雨に打たれている。
555:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 03:55:09.55 ID:CnjYFZl7o
……なんとなく、分かった。
今の今まで、ずっと、わたしは茶番を演じているような気分のままだった。
行動の一つ一つにも、出来事の一つ一つにも、現実感のようなものがまるで伴っていない。
556:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 03:56:12.56 ID:CnjYFZl7o
とにかく、問題は……わたしがどうするか、という一点に尽きる。
「ねえ、シラユキ。わたしはどうすればいいんだろう?」
557:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 03:57:01.87 ID:CnjYFZl7o
「ここを出て、もう一度、生きてみる気にはなれませんか」
とシラユキは言った。
彼女はそう言うだろうな。そんなのは分かっていたことだった。
558:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 03:57:54.38 ID:CnjYFZl7o
「とにかく生きてみて、それでも結果、なにひとつ変わらなかったら、何の解決も訪れなかったら……。
そのときは、わたしのことを恨んでくれてもかまいません。とにかく、もう一度生きてみませんか。
わたしが言いたかったのは、ずっとそれだけなんです。あなたに、もう少しだけ続けてみようと、思って欲しかったんです」
559:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 03:58:36.88 ID:CnjYFZl7o
なんだかおなかが空いていた。最後に何かを食べたのはいつだったっけ。
朝からずっと、時間の流れが遅くて早い。
どうしてだろう。
560:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 03:59:55.18 ID:CnjYFZl7o
シラユキはツキに向かい、声を掛けた。彼に手を貸して立ち上がらせる。
「出口に向かいましょう。どちらにしても、この世界の住人達は、わたしたちを探しに来るはずです。
逃れる手段はありますが、リスクを背負う必要もありません。とにかく、ツキだけでも現実に帰さなくちゃいけない。
561:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 04:01:04.21 ID:CnjYFZl7o
仕方ないか、とわたしは思った。
わたしはどうしてこんな場所を作ったのだろう。
死にたいのなら、もうやめにしたいのなら、死ぬだけでいいじゃないか。
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