過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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557:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 03:57:01.87 ID:CnjYFZl7o

「ここを出て、もう一度、生きてみる気にはなれませんか」

 とシラユキは言った。
 彼女はそう言うだろうな。そんなのは分かっていたことだった。
以下略



558:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 03:57:54.38 ID:CnjYFZl7o

「とにかく生きてみて、それでも結果、なにひとつ変わらなかったら、何の解決も訪れなかったら……。
 そのときは、わたしのことを恨んでくれてもかまいません。とにかく、もう一度生きてみませんか。
 わたしが言いたかったのは、ずっとそれだけなんです。あなたに、もう少しだけ続けてみようと、思って欲しかったんです」

以下略



559:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 03:58:36.88 ID:CnjYFZl7o

 なんだかおなかが空いていた。最後に何かを食べたのはいつだったっけ。
 朝からずっと、時間の流れが遅くて早い。

 どうしてだろう。
以下略



560:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 03:59:55.18 ID:CnjYFZl7o

 シラユキはツキに向かい、声を掛けた。彼に手を貸して立ち上がらせる。

「出口に向かいましょう。どちらにしても、この世界の住人達は、わたしたちを探しに来るはずです。
 逃れる手段はありますが、リスクを背負う必要もありません。とにかく、ツキだけでも現実に帰さなくちゃいけない。
以下略



561:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 04:01:04.21 ID:CnjYFZl7o

 仕方ないか、とわたしは思った。
 
 わたしはどうしてこんな場所を作ったのだろう。
 死にたいのなら、もうやめにしたいのなら、死ぬだけでいいじゃないか。
以下略



562:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 04:02:20.45 ID:CnjYFZl7o

 わたしたちは歩いていく。 
 代わり映えのしない景色の中を、ずっと。

 ひょっとしたら細部は違うのかもしれない。でも、だいたいは同じようなものだ。
以下略



563:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 04:03:37.39 ID:CnjYFZl7o

 やがて、わたしたちの前に泉が現れた。
 ツキは苦しそうにしていたが、意識ははっきりとしているようだ。
 
 彼は長い間、一言も言葉を発していない。
以下略



564:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 04:04:36.60 ID:CnjYFZl7o

 泉を抜けると、森の様相は少しずつ変わりはじめた。
 でも、結局森は森だった。砂漠になったりはしない。

 なんだか息苦しかった。なぜだろう。何が原因なんだろう。
以下略



565:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 04:05:52.52 ID:CnjYFZl7o

 やがて前方に岩壁が姿を現した。それはまだ遠くにある。見えてきたというだけだ。

 どうしてこんなに心が凍てついているんだろう。

以下略



566:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 04:06:27.13 ID:CnjYFZl7o
つづく


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