過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:21:52.24 ID:eYA5xb04o

「いくつか、理由を言うことはできます」

 ゆっくりと口を開いたシラユキの表情は、どことなく考えをまとめるのに苦労しているようにも見えた。 
 
「まず、本当に誰かがこの屋敷に忍び込んでいても、わたしにはそれをどうすることもできません。
 仮に屋敷中見て回ったとしても、わたしの目を盗んで他の場所に隠れているだけかもしれないですから。
 そうである以上、可能性を完全に払拭することはできません」

 シラユキはわたしの瞳をじっと見た。わたしはどう反応すべきなのかを迷った。

「それにこの屋敷のすべての出入り口を、わたしは完全には把握できていないんです。 
 だからわたしの知らない通路なりなんなりがあるとしたら、わたしはどうしてもそれを防げない。
 このふたつに関しては、わたしの力不足です」

 シラユキが、この屋敷の出入り口について、完全には把握できていない。
 わたしは何よりもまず、そこに驚いた。彼女はこの屋敷のすべてを把握しているような気がしていたのだ。




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