過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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168
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◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/01(土) 12:10:38.90 ID:+j7WNh9Vo
長い巻きスカートで、尻尾を隠す事ができた。
頭巾をかぶれば、角も隠せた。
ウエストに搾りのついた上衣は窮屈そうで、ボタンの上から二つまでが留まらないらしい。
最後にくるぶしまでが隠れるブーツを履けば、その姿は『人間』とまったく変わらなかった。
以下略
169
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/01(土) 12:11:14.42 ID:+j7WNh9Vo
騎士「よく覚えているな、お前」
淫魔「燃える水が噴き出るお山に、海に浮かぶ氷の島、お話してくれたじゃないですか」
騎士「やはりお前は、馬鹿でも無いな。一つ、教えてくれないか」
以下略
170
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/01(土) 12:12:54.94 ID:+j7WNh9Vo
彼女が語っていた、『母も、父親の顔を知らない』という言葉。
あれは決して、嘘ではない。
『覚えていない』でも、『分からない』でもない。
本当に…………『知らない』のだ。
以下略
171
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/01(土) 12:14:36.57 ID:+j7WNh9Vo
騎士「……すまなかった」
淫魔「えっ? もしかして、駄目なのですか〜?」
騎士「…………」
以下略
172
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/01(土) 12:15:05.23 ID:+j7WNh9Vo
投下終了
おそらくまた今夜
それではー
173
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]
2013/06/01(土) 12:58:46.07 ID:ii6TbTN5O
乙
続きが楽しみだわ
174
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/01(土) 23:44:31.51 ID:+j7WNh9Vo
二人で見て回る世界は美しく、秋が終われば冬が来た。
白い息を吐きながら歩いていると、鼻先に冷たさを感じて空を見る。
灰色の雲から、『白』が抽出されて降り注いでいた。
以下略
175
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/01(土) 23:45:14.51 ID:+j7WNh9Vo
嵐の夜、廃屋の中で風を避けて一枚のマントの内で暖め合いながら眠った夜がある。
ごうごうと吹きつける音の中でも彼女は物怖じする事が無かったが、雷だけは別だった。
身を竦ませる彼女の頭を抱き締め、落ち着けるための見せかけの悪態をついて眠った事もある。
一夜の寝床を得た宿屋で、彼女にベッドを渡して床で眠った夜がある。
以下略
176
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/01(土) 23:46:54.18 ID:+j7WNh9Vo
――――旅を始めてちょうど六年が経つ。
騎士の国から離れた、小さいが活気のある町の宿屋に部屋を取っていた。
一階の酒場を覗く二階の吹き抜けで、眠る前の酒を彼女と酌み交わしていた。
やや甘みの強い、発泡する果実酒が夕食後の口を楽しませてくれる。
この地方の特産で、林檎を発酵させて作るのだと言う。
以下略
177
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/01(土) 23:47:24.63 ID:+j7WNh9Vo
騎士「っ……おい!」
嫌な予感は、的中した。
階段の下に伸びるように倒れていたのは、淫魔だった。
以下略
178
:
◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/01(土) 23:48:06.21 ID:+j7WNh9Vo
やがて部屋に戻り、それぞれベッドで眠りについてから数時間。
月と太陽が役割を代わろうと顔を突き合わせるあたりの時刻、騎士が眼を覚ました。
騎士「ぐ、ぅ……げほっ……!」
以下略
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