過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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94: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 01:00:30.11 ID:m6/l0qGM0
「あ、お湯沸いたね、おやつにしよー」

 明るい声で言いながら、ぱっと由比ヶ浜が立ち上がり、自分の鞄の方へと向かう。
と、歩くその背に雪ノ下が待ったをかける。

以下略



95: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 01:04:28.10 ID:m6/l0qGM0
「私の鞄に紙袋入ってるから、それ取り出してくれる?」
「おっけー、任せて」

 話をしつつも、流れるような手際の良さで紅茶の準備を進める雪ノ下。
誰が見ている訳でもないのに、指の先まで神経を使っているかのように、動作の一つ一つがいちいち綺麗で細やかだ。
以下略



96: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 01:10:31.15 ID:m6/l0qGM0
「何をしているの? ぼーっとしてないでお皿の準備くらいしたらどう?」

 ぼんやりと、つい先日の適当に紅茶を淹れていた際の小町の粗雑な振舞いを思い起こしていたところに声をかけられ、少しびくっとしてしまう。
視線を向けると、雪ノ下が手を止めて冷ややかな目で俺を見ている。
まさか俺に声をかけてくるとは驚いた。
以下略



97: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 01:14:49.95 ID:m6/l0qGM0
「そんな仲間外れみたいな真似はしないわよ、あなたも奉仕部の一員なんだから。非常に不本意ではあるけれど」
「惜しい、最後の一言がなければ良い台詞だった」
「それで、どうするの?」
「いやもちろん手伝うに決まってるって。ぜひご相伴に預かりますって」
「無理に食べなくていいのよ」
以下略



98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/16(日) 01:18:16.38 ID:Zjc+qAQuo
デレのんか?


99: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 01:19:09.92 ID:m6/l0qGM0
「そう、まぁ一応褒め言葉と受け取っておくわ」
「いや、今の言葉をどうしたら褒め言葉以外に受け取れるんだよ、お前は」

 俺の言葉だけ謎のフィルターにかけようとするの止めてくれない?
褒める時くらい俺だって素直に褒めるわ。多分。
以下略



100: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 01:22:25.30 ID:m6/l0qGM0
 そんな疑問はとりあえず脇に置き、ありがたくティータイムと洒落込む。
早速、皿の上から一枚とって口に放り込んだ。
と、程良い上品な甘さが口一杯に広がる。

「おぉ、やっぱりすげぇ美味い、もう最高」
以下略



101: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 01:26:23.58 ID:m6/l0qGM0
「んー、だけどあたしが作っても絶対こうはなんないし。何でかなぁ?」
「変な隠し味とかに挑戦するからじゃないかしら?」
「最近はしてないよ」

 ああでもないこうでもない、と話す二人を見ながら紅茶を一口。
以下略



102: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 01:31:00.77 ID:m6/l0qGM0
「いや、レシピ通りに作るってのが結構難しいんだと思うぞ、特に由比ヶ浜にとって」
「何? ヒッキーってば、あたしがレシピも読めないとか思ってんの?」
「違う、正確さっつーか再現性の問題だってことだよ。俺だって菓子作りとかできないしな、料理は多少できても」
「はぁ? 意味分かんないし。どういうこと?」
「菓子を作るってのは、料理作るのとは全然違うんだよ。菓子作りはとにかく正確にやんなきゃなんないの。三分かきまぜろって書いてたらきっちり三分間一定の強さでかきまぜなきゃ駄目だし、砂糖十グラムって書いてたらちょっとのズレも駄目、一ヶ所でも間違えたらもうアウト、っつーくらい厳しいもんなの」
以下略



103: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 01:34:20.37 ID:m6/l0qGM0
「別に私も、そこまで几帳面にやっているわけではないわよ」
「例えだ例え。分かり易いだろ」
「うわー、そんなの絶対無理」

 意図通り俺の思いが伝わったらしく、かくんと肩を落とす由比ヶ浜。
以下略



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