過去ログ - エレン「巨人のいない世界」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 06:37:53.32 ID:EMBlCMu00
 しかし、無情な言葉をエレンは口にした。

「……ライナーは死んだ。ベルトルトもだ」

 一瞬、言葉を失った。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 06:40:07.00 ID:EMBlCMu00
 エレンはなにも間違った事をしていないだろう。

 私は、私たちは、数えきれないほど、人間の命を奪ったのだから。

 それが直接だろうと、間接的だろうと、関係はない。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 06:42:29.24 ID:EMBlCMu00
「お前も、俺が憎む仇の一人だ」

 言い終わるのが早いか、エレンは腰のブレードに手を伸ばさず、拳を構えた。

 訓練兵時代に、幾度となく見た姿。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 06:45:57.84 ID:EMBlCMu00
「そう。でも、私が格闘に付き合ってあげるなんて言った覚えはないけど――」

 ブレードを抜こうとして、私はようやく気付いた。

 鞘から抜けない事に。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 06:48:34.63 ID:EMBlCMu00
「どうしたんだ? 抜きたきゃ、抜けよ」

「どの口がそんな事を言えるの?」

 私も構えた。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 06:53:40.85 ID:EMBlCMu00
 ………………今!

 私は姿勢を低くして駆け出し、一気にエレンとの距離を詰める。

 そして、側頭部に向けて、加速の勢いを殺さずに右足を振るう。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 06:55:18.70 ID:EMBlCMu00
 なにが起こったのか、理解出来なかった。

 ただわかる事は、私がエレンに負けたという事。

 そして、エレンの宣言通り、お父さんから教えられた技術が、私がした全てが、無意味だと思い知らされたという事。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 06:57:39.86 ID:EMBlCMu00
「……お前らの事情は全部知った」

 私の腕を完全に固めつつ、エレンは静かに言う。

「正直、同情したい気持ちがないわけじゃねぇ。お前たちは仲間だったからな。けど、それでもやっぱり許せねぇ」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 07:00:04.83 ID:EMBlCMu00
「……泣くな、アニ。泣くんじゃねぇ」

 わかってる。

 わかってるよ。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 07:02:27.83 ID:EMBlCMu00
 それはどういう事?

 そう尋ねる前に、私の体は言う事を聞かなくなった。

 音が消え、光も失った。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 07:04:58.98 ID:EMBlCMu00
「エレン!」

 アニの命を奪った後、ミカサが部屋に飛び込んで来た。

 余程慌てているようで、ミカサにしては珍しく、息を切らしている。
以下略



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