61: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:39:23.68 ID:axl5mVCd0
それから、時間はあっという間に過ぎて行き
大規模ライブイベント当日、舞台袖。
千早の出番直前、俺達は二人である意味最後の会話を交わしていた。
62: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:40:11.93 ID:axl5mVCd0
湧き上がる歓声。
それに対して千早は笑顔を見せている。
……以前はここまで観客に笑みを見せると言う事は無かった。
63: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:40:50.72 ID:axl5mVCd0
「……静かにただ 見つめてた」
千早が歌い出す。
舞台袖から見える千早の姿は、いつになく輝いていた。
64: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:41:40.77 ID:axl5mVCd0
「――声が聞こえる」
「行くべき道 指さしている」
入院していた時、俺は千早を導く事ができるように手紙を残したんだろうな。
65: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:42:26.62 ID:axl5mVCd0
「ありがとうございました。 この歌はわざわざ本イベントの為に1から作られたと言うお話でしたが、そこには
何かドラマが?」
「はい。 私が一番大切な人物と歩んできた軌跡がこの歌には込められています」
66: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:43:04.75 ID:axl5mVCd0
千早が早く出てこいと言わんばかりにこちらに視線を向ける。
そして、それに引っ張られるように俺は舞台へ上った。
「では、プロデューサーさん。 如月さんとのドラマは一体どのような物でしたか?」
「え? いや、えっと……」
67: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:43:36.70 ID:axl5mVCd0
「……困難や悲しみに満ちている時もありましたが、千早と共に乗り越えてきました」
「ふむふむ。 困難や悲しみ……そこには、何か理由があったのですか?」
「俺達二人の想いがすれ違った時に生じた歪みのような物が俺や千早を苦しめてきたんだと思います。 でも、俺
達はそれを乗り越えてきた」
68: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:44:03.33 ID:axl5mVCd0
「では、最後に! プロデューサーさん、そして歌姫、如月千早さん! この曲のタイトルをお聞きしてもよろし
いでしょうか!?」
この司会の言葉に動かされるようにして、千早が俺の隣に立つ。
69: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:44:30.41 ID:axl5mVCd0
再び、呼吸を整えて。
声を
想いを
70: ◆K/laHoEzHc[sage]
2013/06/10(月) 18:48:14.36 ID:axl5mVCd0
第三部は以上です。
そして、これにて
三部作「小さきもの」は完結となります。
読んでくださった方々に感謝を。
71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/10(月) 19:13:32.26 ID:YzWiI8cZo
とても良い曲なのは知ってるけど
曲名を見て笑ってしまったのは俺だけじゃないはず
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