138: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/07/04(木) 03:07:03.16 ID:zpMoHYvIo
「Pさん」
『どうした、茄子さん』
「あれから、三年ですね」
『ああ』
「……私は、もうアイドルじゃないんですよ?」
『……ああ、そうだな』
彼女が、突然そう言った。その意味を、俺は理解する。ずっとわかっていた。なぜ彼女がアイドルを辞めたのか。
『茄子さん』
声が少し震える。ああ、意気地のない男だ、と自分でも思う。彼女の琥珀色の目を、覗き込むように見た。その少し揺らいでいる瞳に、少し不安な色が見えた。
それでも、言わねばならない。彼女は俺の為に、ここまでお膳たてをしてくれたのだ。それに応えないわけには行かないし――応えたい。
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