46: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/18(火) 17:58:09.88 ID:gq9TOo4jo
『うちの茄子を、どうかよろしくお願いします。そう、次のプロデューサーの方へ、お伝えください』
俺は頭を下げた。彼女との、決別を決意するための言葉。これで俺と彼女は赤の他人だ。彼女は強い。きっと、俺のことなど忘れてくれるだろう。
「分かりました。確かに、お伝えいたします」
彼は、笑って言ってくれた。これで、思い残すことはない。とても、心は晴れやかな気分だ。そうに違いない。僅かにのこるこのもやもやは、きっと達成感だと、自分に言い聞かせる。
『ありがとうございます。……では、またご機会があれば』
「はい。ご足労、ありがとうございましたPさん」
彼はそういって見送ってくれる。俺は踵を返し、シンデレラガールズ・プロダクションの社屋を後にする。
そして、近くのタクシー乗り場でタクシーを捕まえると、そのまま自宅へと向かった。外は少し薄暗くなってきている。もう今日は、事務所へは帰らないつもりだった。
仕事がないし、時間も遅い。自分で自分に、そう言い聞かせた。
茄子さんと、鉢合わせるのが怖かった。その言い訳の、隠れ蓑にするために。
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