110: ◆.g97gKoujg[saga sage]
2014/01/15(水) 00:42:02.21 ID:3suepMsg0
「ボクはこれからどうすれば……」
「ふむ……まずは吸血鬼としての生活に慣れてもらう。それと【血のチカラ】を使いこなすために訓練が必要だな」
『吸血鬼としての生活』……昼間は棺桶の中で眠り、夜な夜な処女の生き血を求めてさ迷うのだろうか? 凉一の不安はより深まるばかりだ。
「と、とりあえず家に電話しても良いかな? 婆ちゃんが心配しているだろうし……」
若干、心の整理がついた凉一は自分を心配しているであろう祖父母の事が気になっていた。吸血鬼の件はともかくも自分が無事だと連絡したかったのだがマリアヴェルはこう言った。
「駄目だ。家族や知人との接触は許さん」
思いもよらない……いや、心の奥底では薄々感付いていた、聞きたくなかった返答――それでも凉一は彼女に問う。
「……なんでさ!? 良いだろ、電話くらい!」
「すでに吸血鬼となったキミは人間だった頃のような生活は出来ない……解るだろう?」
声を荒げた凉一にマリアヴェルはあくまで冷静に問い返す。そんな態度を見せられた凉一は意固地になっていた。
「解りたく……ない!」
そう叫んで凉一は部屋から飛び出した――
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