69: ◆.g97gKoujg[saga sage]
2013/07/17(水) 00:39:06.41 ID:N5uHPkoG0
仰向けの凉一に人影が差した。
照明を遮るように、何とも言えない様な面持ちの少女が凉一を見下ろしていた。
(綺麗だな……あの頃のままだ)
七年前に出会った時とまるで変わらない容姿……段々、夢か現か曖昧になっている凉一に少女は語りかける。
「私の名はマリアヴェル……名も知らぬ少年よ、キミのお陰で助かった……ありがとう」
初めて彼女の名を聞いた凉一は、お互いに自己紹介をしていなかった事に気付いた。
(マリア……ベル)
凉一は自分も名乗ろうとしたが、口からは血の泡(あぶく)を伴った咳しか出てこない。それを制してマリアヴェルは続ける。
――それは、非情な宣告だった。
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