過去ログ - 響「National Holiday」
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2013/07/01(月) 20:17:07.09 ID:eKVRquV80
……柔らかな感触が唇に触れた。
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2013/07/01(月) 20:17:37.09 ID:eKVRquV80
締め忘れていた窓から朝日が溢れ出し、夏が終わったことを告げる風が薄いカーテンを揺らす。
薄ぼんやりとした頭に光と風が通り過ぎる。
胎児のように丸まっていた体を軽く伸ばし、枕元の時計を見る。時計の短針は頭を右に垂れていた。
以下略
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2013/07/01(月) 20:18:11.36 ID:eKVRquV80
無数の白線。スタートライン。いつの間にか自分はトラックに居た。
赤みを帯びた硬土で固められた地面は限りなく広がっている。
そのトラックには自分の他にも銃声の音を今か今かと待つ競争者が並んでいた。
以下略
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2013/07/01(月) 20:18:40.17 ID:eKVRquV80
「ちょっとプロデューサー、もう朝ですよ!
まったくソファーで寝るなんて美希じゃないんですから」
「ま、まあまあ律子さん。
以下略
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2013/07/01(月) 20:19:12.87 ID:eKVRquV80
競争者を出し抜く。出し抜かれてはいけない。
体勢を崩した奴らから距離を取るためにまた足に力を入れる。
瞬間。足が動かなくなった。
以下略
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2013/07/01(月) 20:19:50.46 ID:eKVRquV80
「朝練にみんな来る前にシャキっとしてくださいね?」
「……うん、いい! 寝癖のプロデューサーさんもいい!」
以下略
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2013/07/01(月) 20:20:18.30 ID:eKVRquV80
体中を流れていた血液が鉛に変わる。関節が錆付いたように動かなくなる。肺が焦げる匂いがする。
踏みしめていた硬土は泥沼になっていた。
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2013/07/01(月) 20:21:02.37 ID:eKVRquV80
「あれ、プ、プロデューサーさん?! 大丈夫ですか!!」
「! プロデューサー!!」
以下略
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2013/07/01(月) 20:21:34.84 ID:eKVRquV80
目の前の風景が何もないことに気づく。
目指していたゴールは無くなり、暗闇が口を開けて待っていた。
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2013/07/01(月) 20:22:13.19 ID:eKVRquV80
「り、律子さん! どどどどうしやおう!!」
「……小鳥さん! 救急車呼んでください! 終わったら社長に連絡! 朝練は中止!
それから、それから……スケジュールの確認も!」
以下略
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2013/07/01(月) 20:22:46.68 ID:eKVRquV80
おい、俺の前を走るな。
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