過去ログ - 響「National Holiday」
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/01(月) 20:29:22.26 ID:eKVRquV80

 ドアが開く。
お盆を片手で持っている様子が様になっている。

響「ってあー! なに寝てるのプロデューサー! クッションに座ってって言ったでしょ!」

P「……いいじゃん減るもんじゃないし」

響「はやく降りる!」

 怒られたので仕方なく直で座る。
響は顔を赤くして何やらブツブツ言っている。怒らなくたっていいじゃないか。

 足元でじゃれていたいぬ美が響の膝下に座る。小さな響がすっぽりと隠れて二人羽織を見ているようだ。
いぬ美の脇から細い腕が生え、自分の前に紅茶を差し出す。次いでにょきっと響が生えてきた。

響「……プロデューサー、あのな。その……お、女の子の部屋で、それも一人暮らししてる子の部屋でベッドで寝ちゃ駄目だと思うぞ」

P「? エロ本でも隠してるのか?」

響「あるわけないだろ!! にぃにじゃあるまし! ……デリカシーって言葉を知るといいぞプロデューサー」

 ないもんを求められても困る。デリカシーも気力も体力も今切らしてるんだよ。
せっかく貰ったので紅茶を頂く。

 ペットボトルでも、缶でもない紅茶を久しぶりに飲んだ気がする。
上品な甘さと鼻腔をくすぐるやさしい匂い。砂糖の量は紅茶の魅力を損なわない程度に。カップはほんのりと温められている。

 ちょっと普段の響からは想像ができなかった。
麦茶がぶ飲みしてる方が性に合ってそうだが。

P「……美味いな。うまいよ」

響「だろ、だろ! 淹れた人が上手だからだな。愛情とか友情とかあとえっと……とにかくいろいろ入ってるからな!」

P「空きっ腹だからかな」

響「……ふーん」

 コロコロと変わる表情が面白くてついからかってしまう。
その笑顔も、その拗ねる姿も。すっと心に染み込んでくる。

P「あー腹減ったなー。きっと紅茶を淹れるのが上手い人は料理もうまいんだろうなー」

響「べー、残念でしたー。買い物してないから材料がないんだぞー。……また今度ね」

 ぐぅ。と腹の虫の鳴き声。
その音に反応してか、いぬ美が二人から離れる。




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