過去ログ - 菫「ロリ宥は最高だな」 ゆう「ふぁ」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/07/02(火) 23:50:27.39 ID:Amv3xG3So
八月始めの定期試験が終わったその夜、菫は無性に映画が見たくなった。
ハーフパンツと無地のTシャツに着替え、向かうは自転車で五分のレンタルビデオショップ。
こんなずぼらな姿は誰にも見られたことがない。闇夜を味方に鼻歌まじりで坂を下った。


以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/07/02(火) 23:51:09.19 ID:Amv3xG3So

 「旧作レンタル一枚80円です」

菫「はい」

以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/02(火) 23:51:50.78 ID:M538aSzfo
[ピーーー]


5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/07/02(火) 23:51:52.37 ID:Amv3xG3So

夏は嫌いじゃない。
このじんわりしたよどんだ空気も、殺しに来るような昼の射光も、すべては去年の夏を思い出させてくれる。
一生、あの感動を得られそうにはないが、それもまたいいだろう。これから起こる全ての不幸を一度に受けても、おつりがくるぐらいはそれまでの人生に満足していた。
だから帰り道がほとんど上り坂なのもしょうがないことだし、自転車のブレーキがいかれていることも神様が用意した試練なのだ。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/02(火) 23:52:23.18 ID:M538aSzfo
死ね死ね死ね死ね死ね


7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/07/02(火) 23:52:36.34 ID:Amv3xG3So

遠くでパトカーのサイレンが響いた。
音の感覚が短くなっていくので、近づいてくることがわかる。
そういえば今日はパトカーをよく見る気もする。このあたりに凶悪犯でも隠れ潜んでいるのだろうか、と考えつつ自分が襲われたときは護身空手の練習台にでもなっともらおうかと淡い妄想で唇が歪んだ。

以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/02(火) 23:52:59.51 ID:/0HvCfi/o
まーたキャラ崩壊クソカプかよマジでもういいわ


9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/07/02(火) 23:53:15.30 ID:Amv3xG3So

気がつくと、少女を抱いて歩道の真ん中でへたり込んでいた。
スズキのGSRが制限速度を無視したスピードで逆の道へ小さく消えて行く様子を、菫はぼんやりとした目で見送った。

菫「今のバイク、もしこちらに曲がっていたら、轢かれてたぞ……!」
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/07/02(火) 23:53:49.89 ID:Amv3xG3So

少女が菫の胸に抱きついて顔をうずめる。肩の震えは全身にまで伝染し、深い呼吸と鼻をすする音が聞こえた。
無意識に頭を撫でようとした手が、一瞬のためらいで宙に止まった。
ここで、少女の頭を撫でれば不明瞭な何かに引き込まれるような気がしたからだ。一般人の自分が足を踏み入れてはいけない分かれ道。
そんな勇気はなかった。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/07/02(火) 23:54:23.98 ID:Amv3xG3So

暑い。冷静さを取り戻すのにつれ、わけのわからない状況にいらつきが募り始めた。

菫「どうって、そんなの」

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/07/02(火) 23:54:56.48 ID:Amv3xG3So

子犬を拾う子供の気持ちが分かった。

菫「……どうして欲しいんだ」

以下略



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