1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:23:08.42 ID:r4FRmMPoo
魔導師(青の粉は買ったし、緑の粉はまだあったわよね……)
魔導師(あとは……あら?)
少年(雨……冷たいな)
少年(このまま何も食べられずに死んじゃうのかな)
少年「…………」
魔導師「あなた、どうしたの?」
魔導師(ボロボロの服……傘を買うお金もないんだわ)
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:23:35.42 ID:r4FRmMPoo
少年「僕、奴隷なんですけど……あんまりにも仕事ができないから、捨てられたんです」
魔導師「あら……可哀想に」
魔導師「うちにいらっしゃい。お部屋ならたくさんあるわ」
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/03(水) 17:24:13.55 ID:r4FRmMPoo
魔導師「でも、ここには大学の研究所と同じくらいの規模の研究施設があるから便利ではあるの」
魔導師「私ばかり喋っちゃってごめんなさいね」
少年「いえ……」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/03(水) 17:24:40.42 ID:r4FRmMPoo
>>3の前
少年(お城みたいな家だ……)
魔導師「私、魔術の研究をしているの」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/03(水) 17:26:01.60 ID:r4FRmMPoo
少年「…………」
魔導師「恥ずかしがらなくて良いのよ?」
少年「い、いや、その」
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:26:33.80 ID:r4FRmMPoo
ごめん>>5の前
魔導師「お風呂の入り方、わかる?」
少年「……ごめんなさい」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/03(水) 17:29:47.32 ID:r4FRmMPoo
少年(美人だな、この人)
少年(……恥ずかしい)
少年(これ、何ですか……? 白くてドロドロしてる)
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:31:46.86 ID:r4FRmMPoo
魔導師「体も綺麗になったし、お湯につかりましょうか」
少年「お風呂……」
少年(前のご主人様の風呂掃除をしたことはあるけど、入るのは初めてだ)
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:32:29.99 ID:r4FRmMPoo
十分後
少年「…………」グタリ
魔導師「だ、大丈夫……?」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:34:10.13 ID:r4FRmMPoo
――――
少年「う……」
魔導師「目は覚めた? 良かった……」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:34:41.80 ID:r4FRmMPoo
少年(優しい人だな)
少年(けど、僕の不器用さを知ったら愛想を尽かされてしまうんだろうな)
少年(……嫌だな)
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:35:08.29 ID:r4FRmMPoo
翌朝
魔導師「よく眠れたかしら」
少年「い、一応……」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:35:40.33 ID:r4FRmMPoo
魔導師(昔は大勢で一緒に暮らしたものだったわ)
魔導師(どんなに貧しくても、世間から嘲笑されても、笑顔で食卓を囲んでいた)
魔導師(独立してからは、社会的には成功してもどこか寂しかった)
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:36:20.43 ID:r4FRmMPoo
魔導師(この子が自分から話しかけてくることはほとんどない)
魔導師(おそらく、ただ命令を聞くように指導された結果だわ)
魔導師(奴隷の運命は主人に左右される)
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:37:31.40 ID:r4FRmMPoo
魔導師(いわば、奴隷が存在するのは様式美……けれど、あまりにも彼等が不憫だわ)
魔導師「ご飯、足りたかしら」
少年「……その、おかわりしてもいいですか?」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:37:57.98 ID:r4FRmMPoo
魔導師「……そろそろ研究棟に行かなくちゃ」
魔導師「一緒に来てくれるかしら。私の研究を見せてあげる」
少年「は、はい」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:38:24.66 ID:r4FRmMPoo
少年「これは……」
魔導師「私の研究の試作品よ。完成品は町の防壁に埋め込んであるわ」
魔導師「この魔導器を起動させると防壁が強化されるの」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:40:08.31 ID:r4FRmMPoo
少年「こっちは……?」
魔導師「新しく研究している新型の防壁よ」
魔導師「基となる石の壁がなくても、魔力で壁を作ることができるの。上空もドーム状に覆えるわ」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:40:48.66 ID:r4FRmMPoo
少年(僕はなんてすごい人に拾われてしまったのだろう)
少年(魔力の壁の製作者なんて、町でもかなりの有名人なはず)
少年(世間の情報をもらえる機会なんてなかったから、名前すら知らなかったけど……まさかこの人だったなんて)
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:41:55.08 ID:r4FRmMPoo
少年「でも僕、本当に呑み込みが悪いんです。ごくごく簡単な作業くらいしかできなくて」
魔導師「自分はできるって自分に言い聞かせるの。できないって思っていたら余計おばかになっちゃうだけよ?」
少年「…………」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/03(水) 17:42:22.22 ID:r4FRmMPoo
数ヶ月後
魔導師「うん、だいぶ肉付きも良くなったわね」
魔導師「お勉強も随分効率よく熟せるようになったし、やっぱり元が良いんだわ」
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