891:モヤシンズグリード ◆TspHqBVqH9jK[saga]
2013/10/13(日) 19:28:07.10 ID:hYzcSBUeo
(基礎理論はカバラ、主要用途は防衛及び適正の排除、抽出年代は一六世紀。
ゲルショム=ショーレム曰く、その本質は無形と不定形)
彼女の頭に、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会』禁書目録としての膨大な知識が
次々と浮かび上がっては一瞬を過ぎない内に整理され、異形の石像の正体が暴れていく。
結論から言えば、石像の正体はゴーレムというものだった。
カバラにおいて、神様が土から人間を作った手法を人間が真似て
出来上がった不完全な代物、言うなれば『出来損ないの複製人間』だ。
(応用性あり、オリジナルにイギリス清教を混合、言語系統はヘブライから英語に変更。
人体各部を十字架に照応、人の複製というより天使の組み立てに近い)
ただ、彼女の目のの前のゴーレムは人間ではなく天使を作るという事を目的にしている。
だが、人間にはそんな事は出来ない、差し詰め『出来損ないの天使』と言ったところだろう。
逃げるインデックスの後を追う様に、石像はゆっくりと一歩ずつ踏み出していく。
彼女は、膨大な魔術の知識を持っているが大抵の魔術に必要な魔力を寝ることが出来ない。
かと言って、超能力を使える訳でもなければ、優れた武術が使える訳でもない。
実のところ、彼女は術者の頭の中で組み立てられる魔術の命令を狂わせる手段を
持っているのだが、彼女の見立てではゴーレムは遠隔操作ではなく自動制御で動いている。
とどのつまり、彼女はゴーレムに対抗する手段を何も持っていない。
ドスン!! とゴーレムが大きく地面を踏みしめた瞬間、まるで地震でも起きたかのような
熾烈な振動が地面を激しく揺らし、インデックスは思わずその場に倒れこんでしまう。
身動きを封じられながらも、三毛猫を胸に抱え、抱え少しでも距離を稼ごうと
地面を這うように動く彼女にゴーレムは腕を振り上げながら狙いを定める。
そして、ゴーレムの拳が空気を薙ぎ払い、インデックスが思わず目を瞑った瞬間
ぐしゃり、と生肉が叩き潰されるような不気味な音が辺り一帯に木霊した。
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