6: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:48:30.16 ID:ATs0awmn0
「そうですか。じゃあ、えっと、ここから少し距離がありますけど………」
「そっか。なら歩いて行こうぜ。野郎同士で自転車の二人乗りなんて勘弁だしな」
「…………………」
7: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:49:35.91 ID:ATs0awmn0
「零崎さんは、なんで全国を旅なんてしているんですか?」
学習塾跡へと向かう道中、僕は零崎さんに質問した。
聞けば零崎さんの年齢は、二十歳やそこらだと言う。
8: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:50:33.72 ID:ATs0awmn0
「自分探し、ですか」
「ああ。自分がなんの為に生まれてきたのかとか、なんの為に生きてるのかとか、そもそも生きてるってなんのかとか、あんただって、ちょっとは考えたことあんだろ?」
「そりゃまあ、生きてるってなんなのかっていうのは、わりとよく考えますけど」
9: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:51:31.00 ID:ATs0awmn0
「それで、答は見つかりましたか?」
「あ?いや、全然全く見つからねえな。かはは。人生を説いてもらうつもりはねえとは言ったが、だからと言って人生に迷い無しってわけにもいかねえな」
「………そうですか」
10: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:53:17.73 ID:ATs0awmn0
「………見えねえんだが」
「え?」
見えない?どういう事だ?
11: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:54:33.16 ID:ATs0awmn0
会って十分足らずの人を怒らせてしまった。
僕って、そんなに考えている事が顔に出やすいのだろうか?
なんにせよ、反省しなければ。
12: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:55:39.94 ID:ATs0awmn0
「はい、そうです。えっと、僕は元々ここに居る奴。忍野っていうんですけど、そいつ会いに行くんで」
「そうか。じゃあ俺も行くわ。一応、挨拶みたいな事もしときたいし」
「わかりました。じゃあ行きましょう。結構ボロボロなんで、足下とか気を付けてくださいね」
13: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:56:51.34 ID:ATs0awmn0
「待ちかねたよ、阿良々木くん」
教室に入った矢先に、いつものように見透かしたようなことを言って、忍野は僕達を迎えた。
「おや、今日は女の子じゃなくて、男の人を連れているんだね。もしかして、阿良々木くんにはそういう趣味があるのかな?」
14: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:57:50.72 ID:ATs0awmn0
「そうかい。じゃあ、遠慮なく使わしてもらうぜ」
そう言うやいなや、零崎さんは教室から出ていこうとした。
「んじゃ、俺はもう寝かせてもらうとするわ。道案内サンキューな、助かったぜ」
15: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:58:46.19 ID:ATs0awmn0
「まあ、いいや。で、阿良々木くん。今日はどういう用事なんだい?まさか流石の阿良々木くんも、道案内のためだけにここに来るなんてことはないだろう」
「なんの用って、忍に血をやるためだよ。決まってるだろ」
「あー、やっぱりそうだよね」
16: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 23:00:19.13 ID:ATs0awmn0
「忍ちゃんね。僕がさっき彼女のミスタードーナツを食べちゃったから、機嫌悪くなってふて寝しちゃったんだよ」
「何やってんだよ、お前」
本当に大人気ないというか、なんというか。
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