過去ログ - 薫「魔法少女?」まどか「超能力者?」
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12:EP@「夢見る魔法少女じゃいられない」11 ◆X/Lv.1Xswo[saga]
2013/07/14(日) 00:03:28.89 ID:cNbElzG40

マミは一気に萎縮し、落ち着かない子供のように不安げな表情で目を泳がせた。

すると、皆本はいったんハァッと大きく息を吐いて自分の表情を落ち着ける。

「――と、本来なら怒りたいところだが」

「もう怒っとるやんか」

葵が冷静につっこむ。

「もしキミが安易に警察などに相談していれば……
あんなわけの分からない化物が相手だ、余計に大きな被害が出ただろう」

「え?」

急な展開の変化にマミは気持ちがついていけない。

「それに魔女や魔法少女について把握できていなかったのはボクらの力不足だ。
本来ならボクらがやらなければならなかったのに、キミがいなければおそらく
より多くの人が犠牲になっていただろう。本当に、すまなかった」

そして皆本は深々と、マミに対して頭を下げる。

「え、そ、そんな……」

まだ若手とは言え、国家トップレベルの行政官庁のエリート官僚である皆本に
頭を下げられて、むしろマミは焦る。

そんなマミに対して、ようやく皆本は表情をゆるめ、いかにも優男な普段の顔に
戻った。

「実は聞き込み調査の時点でね、おそらくはキミに助けられたと思われる人たちが
たくさん見つかってね。みんなキミに感謝を述べたいとか、一人で戦っている
ようだから助けてあげて欲しいとか言っていたんだ。
その声を聞いていたら、キミを責める気にはなれないよ」

皆本のその言葉に、マミは涙腺がゆるんだ。

ずっと、一人で戦ってきた。誰にも知られずに戦い、誰にも知られずに消えていく。

それが自分の運命だと思っていた。

しかし、そうではなかった。

『全て忘れて』なんて言っても、覚えてくれている人は大勢いたのだ。

そして、感謝も心配もしてくれていたのだ。

マミはそれだけで、報われたような気がした。

「だけど、キミがこのまま一人で戦い続けるということを認めるわけにはいかない。
より確実に多くの人を守るためにも、キミ自身の安全のためにもきちんとした
組織が必要なはずだ。そして、行政機関としてボクたちは魔女などという存在も、
キミが自ら危険に身をさらす事も放置できない。そこで――」


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