過去ログ - モバP「凡人と第六感」
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55: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/11(日) 03:14:12.50 ID:fDDiOZLHo
『頼むぞぉ……』

 私は呼吸を整えると、祈るような手つきでドアの取っ手に手を掛ける。その向こう側には――。

『……一応、間に合ったみたいか』

 私は、とりあえず安堵する。目の前にあったのは、少し錆びた、鈍色の防音扉。その向こうから音は聞こえないが、まあ、防音扉だから当然だろう。

 そうして、今度はその防音扉に手を掛ける。もう夜も遅いのだ、騒音の訴えが出てはいけない。本来なら、演奏中の入退場は控えたいところだったが――。

『……許してくださいよ、近隣住民の皆さん』

 謝罪の言葉を呟き、防音扉に手を掛ける。ぐぐっ、と力を込めると、がきん、と硬いロックが外れる音。店の扉を閉めつつ、私は店内へと滑り込んだ。

 その瞬間だった。



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