過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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265: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 19:33:30.28 ID:2PQsvWzg0
F戻るか進むかに関わらず、彼はこの先の道を見定める。


由比ヶ浜は、出入口とは反対側の壁に寄りかかって誰かを待っている様子だった。携帯電話をいじっているせいかこちら

以下略



266: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 19:36:46.32 ID:2PQsvWzg0
「ふぅん…………そういうことやるってことは……お前サプライズとか好きなのか?」

「え?……う〜ん……いいサプライズなら好きかな?」

いきなり想定外の質問をされたせいなのか、ちょっと迷いながら彼女はそう答えた。その表情は少しうれしそうに見える。
以下略



267: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 19:41:33.80 ID:2PQsvWzg0
「で、何の用事だよ」

「あ……その……もしよければ……途中まで一緒に帰らない?」

「嫌だ」
以下略



268: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 19:43:49.02 ID:2PQsvWzg0
「ひゃっ」

靴を履き替えて外に出ると寒風がびゅっと吹いて直接体にあたってくる。思わず手で襟を掴んで服の隙間を塞ぐ。今の

悲鳴はおそらく由比ヶ浜のスカートが…………いやいや、俺の視界に入ってなくてよかったぜ。……ついでに言うと
以下略



269: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 19:46:35.83 ID:2PQsvWzg0
由比ヶ浜はほんのり頬を染めながら、目を泳がせながらそう答えた。正直言って彼女の顔は口よりもよく喋る。黙って

いたとしてもその目が、眉が、頬が、唇が雄弁に語ってくれる。だから、みんなそれを無視することはできないのだ。

あの雪ノ下雪乃でさえもそうだった。当然、俺もそう。
以下略



270: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 19:49:58.60 ID:2PQsvWzg0
いつぞやの花火大会の時、文化祭の後の時、あるいは修学旅行から帰った後、それとここ数日間。いつだって彼女は

俺と一緒にいる時には常に周りの人を顔色を伺いながら――気遣いながらと言った方がいいのかもしれないが――俺と

接してきた。それはいくら狭い教室の中とはいえ棲む世界の違う人間が関わる場合には不可避の行動だ。俺のような
以下略



271: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 19:53:12.50 ID:2PQsvWzg0
顔が熱くなるのを感じて思わず手を頬にやって撫で付ける。微笑んだままの由比ヶ浜を横目に俺は自転車を押して歩き

出す。遅れて彼女も後をついていく。……とりあえず頭に浮かんだ疑問をぶつけでもしないとやってられん。

「お前アホのくせになんでそんなこといちいち覚えてんだよ……」
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272: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 19:55:51.24 ID:2PQsvWzg0
「何が」

「その……奉仕部の」

「まだ無理、だな…………」
以下略



273: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 19:59:19.02 ID:2PQsvWzg0
「いいよ、別に。……もう隠すつもりもないと思うよ。ゆきのんが――――」

以前にも同じような光景を見た気がする。由比ヶ浜が雪ノ下のことで何か言いかけてやめるところは。お前は優しいから

まだ言い切らないでくれるんだよな。中には意地悪にも言い切ってしまう奴もいるわけで。…………あまり彼女の優しさ
以下略



274: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 20:02:50.15 ID:2PQsvWzg0
由比ヶ浜は口をぽかんと開けてこちらを見ている。いや、そりゃそうだろうな。俺も数秒前までこんなこと言うつもり

じゃなかったし。顔を逸らしたくなって横を向いて返事を待っていると、彼女はにっこりと笑ってこう答える。

「今のところあいてるよ。だから…………絶対あけとく」
以下略



275: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 20:05:37.93 ID:2PQsvWzg0
「とりあえず今日はここまででいいよ」

隣のバス停に辿り着くと由比ヶ浜はくるっとこちらに振り返ってそう言った。”今日は”という言葉になにか含みがある

ような気がしてならないが、そこは藪蛇っぽいのでスルーすることにする。
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