過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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477: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 21:36:56.53 ID:3xKNrynr0
しかし、結果的に由比ヶ浜が喜んでくれたのはいいものの、俺がデートの場所にここを選んだのはあまり前向きな理由

ではなかった。まず、俺と由比ヶ浜の接点の少なさが理由として挙げられる。俺と彼女では、残念ながら趣味や嗜好に

ついてかなりの隔たりがある。由比ヶ浜は付き合う相手にある程度は合わせられる性格の人間だとは思うが、あまり
以下略



478: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 21:39:38.63 ID:3xKNrynr0
「ヒッキー?…………もうそろそろゲート開くみたいだよ?」

「え?ああ、そうだな」

不意に話しかけられて、生返事を返す。というか入る前に色々と訊いておかないといけないことがあるのを思い出す。
以下略



479: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 21:42:24.76 ID:3xKNrynr0
「それはそうかもしれないけど…………でも、せっかくの機会だし……う〜ん……わかった」

お金がかかると聞いて少し逡巡した様子を見せた由比ヶ浜であったが、普段できないことをできるというのもあって了承

してくれた。こちらとしてもそうしてくれた方がありがたい。
以下略



480: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 21:50:14.94 ID:3xKNrynr0
ガイドツアーの申し込みを済ませた後、さっそくパンさんのバンブーハントの方へ歩きはじめる。もう目的地はわかって

いるので、今度は由比ヶ浜の方が先を進む。そしてその手はずっと繋がれたままだ。クリスマス仕様の園内を眺めつつ

歩いていくが、彼女の足取りはやけに軽い。こっちが男なのについていくのに精一杯といった感じだ。そんな歩幅の違い
以下略



481: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 21:52:11.93 ID:3xKNrynr0
そう言って由比ヶ浜はまた俺の方に手を伸ばしてくる。まぁ、慣れるためだからね。仕方ないね。俺が彼女の手を手袋

ごしに握ったところで、再び足を踏み出す。先を行く由比ヶ浜は、こちらをチラッと見てぽつりとつぶやく。

「なんか……手を握ってないと今日のヒッキーは……勝手にどこかにいっちゃいそうな気がしたから」
以下略



482: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 21:56:06.88 ID:3xKNrynr0
――――それにしても。

俺が由比ヶ浜と恋人同士になって、ディスティニーランドにデートに来て二人で手を繋いで歩いているというこの状況。

なんだか現実感があまりない。場所が場所だからだろうか…………まるで夢の中にでもいるみたいな気がしてしまう。
以下略



483: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 21:59:30.00 ID:3xKNrynr0

しばらく二人とも黙ったままで中を進んでいると、後ろからまたぽそっと声がかかったので俺は少し歩を緩める。

「さっきの話の続きなんだけど……」

以下略



484: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:03:00.99 ID:3xKNrynr0
由比ヶ浜は少し肩をすくめてそうつぶやいた。その言葉は褒めているわけでも貶しているわけでもなく、ただ俺の有り様

について素直に感じたことを口にしただけのことだったのだと思う。でも、そのことが俺にとっては何故かとても嬉しく

感じられた。俺の表情が緩んだのを見て、由比ヶ浜はふふっと笑った。そして、こう言う。
以下略



485: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:05:36.19 ID:3xKNrynr0
結衣は驚きながら照れるという器用なことをした。まぁそういう色々な表情を見たいから呼んでみたのも否定できないが。

しかし何もそこまで驚かなくても…………。俺の顔が少し曇ったのを見てすかさずフォローに入る。

「あ、いや、ごめん……少し驚いただけだし……うん…………ありがと」
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486: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:08:03.38 ID:3xKNrynr0
呼び方談義が終了したところで、また二人で手を繋いで歩き出す。しばらくして、目的のアトラクションの入口が見えて

きて結衣のテンションも上がってきた。最後の方はほぼ走るようにして辿り着くと、もう結構な人の行列ができていた。

「人気アトラクションは開園直後でもこんななのか……」
以下略



487: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:10:25.09 ID:3xKNrynr0
まさかこんな列に並んでいる最中にのろけ話を要求されるとは思っていなかったので、俺は思わず彼女の顔を見る。俺の

反応を見て自分の言ったことの意味を自覚したのかポッと赤くなった。いや…………言いだしっぺに照れられても困るん

ですけど…………。
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