過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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509: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/13(金) 00:32:38.68 ID:CYYoNZQK0
「あ、あのさ…………今は二人きりだから、俺もそんなにとやかくは言わないが学校とかでは……」

「わかってる。今までどおりに接してほしいってことでしょ?」

「わかってるなら……別にいいんだけどよ」
以下略



510: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/13(金) 00:35:10.44 ID:CYYoNZQK0
思わず開いた口から間抜けな声が出てしまった。なんという失態。…………やっぱり慣れないことはするもんじゃないね。

普段、他人と遊びに出かける習慣はないし、出先で写真を撮る習慣もない。だから、ここに来てもそんなことはまったく

考えていなかった。まぁ、初デートで浮かれていたというのもあるのだが。しかし、よく考えてみると園内でカメラを手
以下略



511: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/13(金) 00:37:25.75 ID:CYYoNZQK0
俺の答えにほっとした様子で結衣は胸をなで下ろした。そもそも、もし結衣の思っていたことが本当なら修学旅行の時

だって断っていた筈であって。ただ、彼女の考えがまるっきりあてはまらないかというとそうでもない。

「まぁ、とはいえ俺が写真を撮る習慣がないのは…………」
以下略



512: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/13(金) 00:39:09.36 ID:CYYoNZQK0
「結衣はパンさんだけじゃなくてニッキーも好きなのか?」

無事に写真撮影を済ませた後、スマホで撮ったニッキーと彼女の記念写真を見ながら俺はなんとなく訊いてみる。

「好きだけど?なんで?」
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513: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/13(金) 00:41:30.59 ID:CYYoNZQK0
俺が自らに会話の内容に制限を課していることは彼女にはバレバレなのであった。自虐ネタと過度に現実的な、悲観的な

ことを言うのはなるべく避けていたのだが。

「いや、ほら……こんなところで、その……あまり夢を壊すようなことを言うのもアレかな、と思ってさ」
以下略



514: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/13(金) 00:43:15.66 ID:CYYoNZQK0
「まぁ、大した話じゃないんだけどな……」

「うん」

「俺は別にニッキー自体は特に好きでも嫌いでもないんだが…………キャラクターの成り立ちの話を考えると、素直に
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515: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/13(金) 00:45:56.62 ID:CYYoNZQK0
もうなんか俺が予想していた反応の三歩先くらいのことを言われ、とっさに返す言葉が思いつかなかった。まず、ネズミ

本人が人間に愛される存在になりたいと思ったわけではないということ。次に、姿かたちを変えたそれはもはやネズミと

呼べるような存在とはいえなくなってしまったということ。そして、ネズミそのものが愛されるようになったわけでは
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516: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/13(金) 00:49:47.79 ID:CYYoNZQK0
「そう。親に愛されるために犬とかの赤ちゃんは可愛いってことになるな。外部からの攻撃を避けるためでもあるが」

答えを言うと結衣は完全にうつむいてしまった。いかんな…………ここはちょっとからかって乗り切ることにするか。

「だから、俺は結衣にはなるべく冷たくあたることにする」
以下略



517: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/13(金) 00:51:46.54 ID:CYYoNZQK0
その後、また別のアトラクションに乗り、次にシンデレラの城の中にあるガラス工芸の店に行き、名前入りのグラスを

ねだられるが恥ずかしいといってそれを断り、また他のアトラクションに乗って――――。

道を歩く人やその脇に植えてある樹木、アトラクションの構造物から影が伸び始め、その角度がキツくなる頃には俺の体
以下略



518: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/13(金) 00:53:36.96 ID:CYYoNZQK0
しばらくして少しは体の調子も回復し、目も冴えてきたので俺もカフェを出て少しショップを見て回ることにした。小町

へのお土産も買わないといけないことだしな。お菓子などを売っている店で適当なものを見繕って買っていると、不意に

後ろから声がかかる。
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519: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/13(金) 00:55:25.49 ID:CYYoNZQK0
何故か結衣の声は大きくなって、首を激しく振って断られてしまった。何もそんなに強く拒否しなくてもいいのに……。

俺の表情が曇ったのに気付いたのか、彼女は慌てて言葉を繋げる。

「あ、いや、別に嫌とかそういうことではなくて…………ちょっとこれは自分で持っていたいっていうか……」
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