過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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650: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/29(日) 00:03:44.15 ID:dlzKvi+G0
ああ…………俺は彼女が本心でないことを平気で口にできるような人間であることを失念していた。しかし、さっきと逆

のことを言っている筈なのに何故かその時の口調や表情はまったく変わることがなかった。ということは、どちらも嘘?

もしくは――――?
以下略



651: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/29(日) 00:05:53.57 ID:dlzKvi+G0
「まぁ、比企谷くんには比企谷くんなりの考えがあるだろうしね。もし、それで守ることができるのなら……雪乃ちゃん

を守ってあげて」

「いや、俺は雪ノ下を守るとは一言も…………」
以下略



652: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/29(日) 00:08:50.55 ID:dlzKvi+G0
「一体俺のどこが強いんですかね?むしろ弱いところ見せまくってるような気がするんですが」

「だから、そういうところだよ。本当に強くなければ、人に弱いところは見せられない。私には無理だもん、そういうの」

「あなたのような人に弱いところなんてあるんですか?」
以下略



653: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/29(日) 00:11:23.56 ID:dlzKvi+G0
俺が今の偽らざる気持ちをつぶやくと、陽乃さんは頬杖をついてふっとため息をつく。その時の彼女は、珍しく何か憂い

を帯びているような感じがした。表情を変えずに、陽乃さんはこちらに顔を向ける。

「あ〜あ…………私、雪乃ちゃんにちょっと嫉妬しちゃうかも」
以下略



654: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/29(日) 00:14:57.19 ID:dlzKvi+G0
陽乃さんはそう言ってから「あ〜あ」とため息をついて両手で頬杖をついた。その後は、彼女は特に何か話すということ

はなく、しばらく沈黙が続く。陽乃さんはいったん片手を顔から離して、カップを手に取りゆっくりと液面を回転させて

いた。その様子がなんだかワインのテイスティングみたいに見えたのと、”また”という言葉が喉に引っかかったような気
以下略



655: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/29(日) 00:19:49.84 ID:dlzKvi+G0
何がいいのかはよくわからないが、今はこれ以上尋ねても無駄と判断したのか陽乃さんはそれ以降は何も話さず、カップ

に残っていたコーヒーを飲み始めた。それにつられるようにして、俺も自分の残りの分を飲み干してしまう。二人とも

カップが空になってしばらくは、そのまま静かな時間が流れた。カウンターの上の壁に掛けてある時計の針がカチッと
以下略



656: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/29(日) 00:22:58.23 ID:dlzKvi+G0
「どのみち、比企谷くんが気にすることじゃないと思うな。それに、もともと期待を裏切ったら切れる程度の関係なら、

あなたは欲しいとは思わないでしょう?」

「それは、……まあ……」
以下略



657: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/29(日) 00:25:24.60 ID:dlzKvi+G0
そんな答えを返すと、陽乃さんはまたお腹を抱えてケラケラと笑う。……周囲の視線が集まってくるのでやめてほしい。

ひとしきり笑ったところで満足したのか、一度片目をこすってからこちらを真っ直ぐに見据えてくる。

「まぁ、先のことなんてわからないよね。だから、”その時”が来るまではあなたは奢る心配をする必要はないし、”その時”
以下略



658: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/29(日) 00:31:56.42 ID:dlzKvi+G0
全て言い終わる前に、陽乃さんが後に続く言葉を先に口に出した。俺が顔を上げると、彼女は微笑を湛えていた。

「ブッダの言葉だったっけ?」

「あー……確か……そうらしいですね」
以下略



659: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/29(日) 00:43:52.64 ID:dlzKvi+G0
結局、自分の分を払うタイミングを逸してしまい彼女の後ろに続いてカフェを出ることになってしまった。

「なんか……すいません。俺の分まで……」

「いいのいいの。また今度そういう時が来たら、奢ってもらうから。雪乃ちゃんの分も」
以下略



660:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/09/29(日) 01:02:23.23 ID:vXO40Ssoo
終わりかね
結局部活辞める云々は夢だったってことかな


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