過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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746: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/08(火) 19:55:37.44 ID:lT0ghM6n0
「いや、なんだろう…………俺としても……そうしてくれた方が嬉しいというか……。別にどういう感情でもいいんだ。

それを素直にそのままぶつけてくれればいいと思う。今さら由比ヶ浜に何を言われようが俺がお前を嫌うなんてことは

もうないだろうしな。それに、感情が昂ったらつい口に出るのは誰でもそうだと思うし」
以下略



747: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/08(火) 19:57:49.62 ID:lT0ghM6n0
相変わらずの俺の返答に、由比ヶ浜はあきれたように笑う。とりあえず、その表情から了承は得られたようなので俺の口

からは安堵の息が漏れる。少しだけ間のあいた後、由比ヶ浜はまたこちらに腕を伸ばしてきて俺の手を取った。

「あたし、まだヒッキーに色々話したいことがあるんだけど…………ちょっと座ってもいい、かな?」
以下略



748: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/08(火) 20:00:06.63 ID:lT0ghM6n0
「わかったよ、結衣」

結衣はえへへと照れ笑いをして、左手で頬を撫でつけていた。土曜日に何度も名前を呼んでいる筈なのに、そんな彼女の

反応になんだか自分も恥ずかしくなって顔を背けてしまう。しかし、そんな甘い空気は早々に断ち切られる。
以下略



749: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/08(火) 20:02:57.51 ID:lT0ghM6n0
顔と手に変な汗をかきながら、俺がたじろぎながらそう答えを返すと結衣は満足したのか、顔の位置を元に戻してから

ニッコリと妙に凄みのある笑顔で俺に微笑みかけてくれた。どうにも手汗が気になって俺は握られた手をほどこうとする

が、かえってそれが向こうの握る力を強めてしまう。俺は思わず結衣に話しかける。
以下略



750: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/08(火) 20:05:40.12 ID:lT0ghM6n0

「あのね…………あたし、土曜日にデートしてた時はその……浮かれてて、ヒッキーのことをあんまり気にかけてあげ

られてなかったんだと思う。だから、別れるって言われた時は正直ショックだったけど…………でもヒッキーが心配性な

以下略



751: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/08(火) 20:09:09.50 ID:lT0ghM6n0
俺が名前を言い直すと、結衣はふふっと微笑みかけてくれた。その笑みに自分もつられて頬が緩んでしまう。しかし俺の

緊張の糸は、まだどうにか切れずに済んでいた。結衣は目を細めて話を続ける。


以下略



752: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/08(火) 20:11:45.60 ID:lT0ghM6n0
「でも……その、なんというか…………もう、結構なんだ……お互いのこと知ることは、できてはいるんじゃないか?」

「“今”のあたしとヒッキーに関しては、そうかもね。でも、これから先のあたしたちのことはまだわからないでしょ?」

「そ、そうだな……」
以下略



753: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/08(火) 20:13:31.49 ID:lT0ghM6n0

「ああ、悪い…………俺も……楽しみにしてるよ。自分と結衣とのこれからについて。少し怖いとも思うけど、な」

「そ、そっか…………でも、大丈夫だよ」

以下略



754: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/08(火) 20:16:56.45 ID:lT0ghM6n0
あの時も結構色々なことを口にしていたし、思い当たる節が多すぎて一体何のことか判然としない。結衣は俺の反応を

見て少し眉根をひそめる。

「ヒッキー言ってたでしょ?今の幸せは自分の手に余りすぎるって。それで、それを逃したくないって。でも、どうして
以下略



755: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/08(火) 20:21:17.78 ID:lT0ghM6n0
そう言って結衣は握っていた手をいったん離し、両手を前に出すように促す。こちらがそれに応じると、彼女は俺の両手

を組ませる。そして、結衣に撫でるようにして触れられて俺の手が包み込まれる。

「だからね…………ヒッキーの手から幸せが零れなくなるまで、こうするんだ」
以下略



756: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/08(火) 20:24:18.69 ID:lT0ghM6n0
今までずっと自分の中に溜めていた心情が、奔流のように襲ってくる。

俺の中の“引き出し”が、開け放たれてしまう。

感情の緊張の糸が、すべて切れてしまう。
以下略



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