過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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853: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:26:26.67 ID:0BVq5QXS0
「ああ、それとたぶん…………私は、またあなたに“そういう”優しさを発揮する時が来るのでしょうね」

「……どういうことだ?」

「つまり、さっきあなたは私たちに心配と迷惑をかけたと謝っていたけど…………今後そういうことが起こらないのか?
以下略



854: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:30:07.86 ID:0BVq5QXS0
そんな彼女をよそに俺の口から出てきたのは、まぁ…………相変わらずな内容だった。

「確かに、さっき由比ヶ浜には『ずっと一緒にいよう』と言った。しかし、恋人としてずっと一緒にいようなどとは一言

も口にしていない。それに、俺の自分勝手な行動でお前やその周りの人間まで巻き込んだら悪いしな。だから……」
以下略



855: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:33:04.68 ID:0BVq5QXS0
「……さすがにここまでいくと由比ヶ浜さんの楽観的思考にも感心せざるを得ないわね。比企谷くんにはそんな意図は

まったくなかったのだろうけど。彼が折れるというのも頷ける話だわ」

「ど、どういうことなんだよ。二人だけで納得して……なんで由比ヶ浜はニヤニヤしてるんだ」
以下略



856: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:35:51.00 ID:0BVq5QXS0
「比企谷くん」

「は、はい」

「先週も言ったとは思うけれど…………これからは、なるべく先に相談してね。たとえ他に方法が見つからなかったと
以下略



857: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:39:54.48 ID:0BVq5QXS0
雪ノ下が元の笑顔に戻ると、俺と由比ヶ浜は揃って安堵のため息を漏らす。それを見て彼女もふっと息をついた。話が

一段落して、再び部屋の中は静寂に包まれた。


以下略



858: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:42:33.54 ID:0BVq5QXS0
「えっと……これは、その……ヒッキーが奉仕部に戻った記念というか……あと、あたしの誕生日の時のお返し?みたい

な意味もこめて……奉仕部の備品にでもできれば、と……」

「由比ヶ浜さん……」
以下略



859: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:44:29.30 ID:0BVq5QXS0
緩衝材を取り除いて、中から出てきたのはガラスのコップだった。

側面にはディスティニーのキャラクターがあしらわれている。雪ノ下に渡されたのは、当然パンさんだった。

俺がディスティニーランドの城の中のガラス工芸の店で彼女にねだられて、恥ずかしいと言って一度は断ったものだ。
以下略



860: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:46:25.96 ID:0BVq5QXS0
「おい雪ノ下。お前なんてまだマシだぞ?俺なんてほれ……見ろ、HIKKYだぞHIKKY。引きこもりじゃねーっつの。

それにコップにニッキーマウスがついているから間違えて彫ったみたいになってんじゃねーか」

俺が言いたい放題言ってしまったので、由比ヶ浜は顔を膨らませてぷいっとそっぽを向いてしまう。俺のフォローが効いた
以下略



861: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:49:11.07 ID:0BVq5QXS0
俺が少し安心してふっと息を漏らすと、由比ヶ浜は雪ノ下から手を離してさらにこちらに顔を近づける。そして、上目

遣いで俺を見ながらこう続ける。

「ヒッキーもやっぱり…………このコップ使うの、恥ずかしい?」
以下略



862: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:51:28.03 ID:0BVq5QXS0

「これを使うのはとりあえずいいとしても…………ガラス製だから、温かい飲み物は入れられないわね」

「あっ……そ、そっか。ごめん、そこまで考えてなかった……」

以下略



863: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:53:41.84 ID:0BVq5QXS0
「……良かった。じゃあ、あたしたちのことも…………そうしてね?」

「……そういうことか。それは…………うん、重々承知しているつもりだ。由比ヶ浜、雪ノ下」

俺は彼女らの方を向いてそう答える。俺の言葉に、二人とも安心した顔になって微笑み返してくれた。
以下略



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