過去ログ - 照「咲が私をオカズにしてた・・・」
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2: ◆OdfYj4TIEc[sage]
2013/08/03(土) 23:38:52.42 ID:vPT+pcECo
夜中にふと目が覚めて私、宮永照はベッドを抜け出し、リビングで水を飲みながら窓から外の景色を眺めていた。
年の瀬も迫る12月の後半。窓の外は夜の闇もなんのその、一面に輝く銀世界。
「東京じゃこんなこと滅多になかったな。夜闇が薄く見えるのは同じだけど」
3: ◆OdfYj4TIEc[sage]
2013/08/03(土) 23:39:29.46 ID:vPT+pcECo
その感情に気がついたのは中学校二年生の頃だったか。
来年は同じ学校に通えると笑う咲に、家でいつも一緒だろうと苦笑を返しながら、私の中は喜びに満ち溢れていた。
これで咲ともっと長い間一緒に過ごすことが出来る。
4: ◆OdfYj4TIEc[sage]
2013/08/03(土) 23:39:56.05 ID:vPT+pcECo
甘かった。
離れているからこそ咲のことが心配で、一緒に暮していた時よりも咲のことを考えている時間が多くなった。
内気な性格だから苛められたりしていないだろうか。
5: ◆OdfYj4TIEc[sage]
2013/08/03(土) 23:40:21.92 ID:vPT+pcECo
そして個人戦にて遂に同じ卓で見え、負かされたのち涙ながらに抱きつかれて、観念した私は咲に謝りまた仲良くしようと言ったのだ。
当然のことだが胸に秘めた想いのことは打ち明けられていない。
何も解決していないのに私は諦めてしまったのだ。
6: ◆OdfYj4TIEc[sage]
2013/08/03(土) 23:40:47.84 ID:vPT+pcECo
「お姉ちゃん?」
「・・・!」
考え込んでしまっていた私を不審に思ってか、私の顔を覗き込んできた。
7: ◆OdfYj4TIEc[sage]
2013/08/03(土) 23:41:13.29 ID:vPT+pcECo
「やっと終わったぁ・・・もうくたくた」
雪かきを終わらせて2人で家の中に戻ると、咲が疲れ切った顔で玄関マットの上に身を投げ出した。
「咲、マットが濡れちゃうから」
8: ◆OdfYj4TIEc[sage]
2013/08/03(土) 23:42:06.16 ID:vPT+pcECo
「先に使っていいぞ」
「咲だけに?」
「くだらないことを言うな」
9: ◆OdfYj4TIEc[sage]
2013/08/03(土) 23:42:40.37 ID:vPT+pcECo
(咲・・・)
見えないように目を瞑っているのに、なるべく見ないように心がけていてもどうしても見えてしまった咲の体がチラつく。
このすらりと伸びた肢体も何もかも、今なら私の物に・・・
10: ◆OdfYj4TIEc[sage]
2013/08/03(土) 23:43:09.34 ID:vPT+pcECo
「・・・」
(しまった、あんなに乱暴に払うことはなかったか?)
うつむいてしまった咲を見て、私は必死に言い訳を考えるが茹だった頭では何も考え出せない。
11: ◆OdfYj4TIEc[sage]
2013/08/03(土) 23:43:36.25 ID:vPT+pcECo
「さ、き・・・」
じわりと滲んだ涙を拭うことも出来ず、犬のように私の腕を舐め続ける咲を見つめる。
悦楽に歪んだその顔は怪しく、艶かしい。
12: ◆OdfYj4TIEc[sage]
2013/08/03(土) 23:44:02.62 ID:vPT+pcECo
「――」
もう問いを発することも出来ない。耳にかかる咲の吐息と、背中に当たった一部が硬い柔らかな感触に耐えるだけで精一杯だった。
「ごめんねお姉ちゃん。本当に久しぶりだから、ちょっと甘えんぼになっちゃったみたい」
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