過去ログ - 千早「Brand New Day」
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2013/08/06(火) 07:59:47.62 ID:yKhvOO5V0
 彼女の言っている事は、事実だ 
 確かに、あの一件以来、誰も居ない部屋で独り膝を抱え泣く事が、それこそ数え切れない程在った 
 今だにふと、思い出したかの様に泣いてしまう事も在る 
 でも、それは私の罪ので在り、誰にも触れられたくない私だけの罰でも在る 
  
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 08:00:27.40 ID:yKhvOO5V0
 でも、なんで私はこんなにも…… 
  
 「同情なんて……!」 
  
 「我那覇さんだけには! そんな下らない感情で接して欲しくなかった!!」 
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2013/08/06(火) 08:01:15.66 ID:yKhvOO5V0
 「あっ……」 
  
 景色が滲み始めた 
 漸く、心の変化に体が追い付いたのだろうか 
  
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2013/08/06(火) 08:02:01.48 ID:yKhvOO5V0
 「実はね…… 自分、たーりーに会った事が無いんさー」 
  
 「……え?」 
  
 我那覇さんの突然の言葉に思わず顔を上げる 
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2013/08/06(火) 08:02:41.67 ID:yKhvOO5V0
 ……私と、同じだ 
 会いたいと、何度想い、何度涙しただろう 
  
 「……変だよね、会った事も、話した事もないのに 
 なのに、哀しくて、寂しくて、堪らなかった 
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2013/08/06(火) 08:03:27.38 ID:yKhvOO5V0
 ――なのに 
  
 次の瞬間、何故か私は撫でられていた、頭を優しく 
 勿論、撫でてくれているのは我那覇さんで 
  
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2013/08/06(火) 08:04:05.35 ID:yKhvOO5V0
 「……うん、忘れた訳じゃない、会いたいと願わくなくなった訳じゃない」 
  
 「それは、今だって変わらない」 
  
 「だけど、それでも、なんくるないって、思えたんだ」 
37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 08:04:43.04 ID:yKhvOO5V0
 「ありがとう」 
  
 震えた声、自分でも恥ずかしい程の涙声 
 でも本当に、今の私にはこんな声しか出せなくて 
  
38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 08:05:27.58 ID:yKhvOO5V0
 「……ふふ、許すも許さないも、そもそも自分、許さない、なんて一言も言ってないぞ、千早」 
  
 「確かに、悲しいとは思ったけど、自分もあの時、あんまーやにーににどうにも出来ない事を 
 言った事が有るから、言った千早の気持ちもなんとなく分かるし」 
  
39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 08:06:21.40 ID:yKhvOO5V0
 ああ…… もう、駄目だ、抑えられない 
  
 「ありがとう、我那覇さん 
 我那覇さんが言ってくれた事、すごく嬉しい 
 けど、ごめんなさい、今すぐ笑顔になるのは、ちょっと難しいみたい」 
40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 08:06:47.79 ID:yKhvOO5V0
  
  
  
 "Brand New Day" 
  
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