過去ログ - 妹と俺との些細な出来事
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852:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/19(火) 23:10:44.03 ID:8/j3DU9wo

<キス>




『妹ちゃんはね。お兄さんのことを好きだと思いますよ。ただ、それは異性に対する愛情
じゃない』

『お兄さんから告白された妹ちゃんは、悩んだと思います。妹ちゃんにとって異性として
好きなのは、彼氏になって欲しいのはうちのお兄ちゃんだから。でも、妹ちゃんは自分の
兄貴に傷付いて欲しくなかった。自分の兄貴、つまりお兄さんへの愛情は異性に対するも
のじゃないけど、兄妹として家族としてお兄さんのことは好きだったんだと思います』

『聞いてください。だから妹ちゃんはお兄さんなんかに異性に対する愛情はないとは言え
なかった。そう言ってしまえばお兄さんが悩むしひょっとしたら自殺しかねないと思った
から。だから彼女は便宜的に両親との関係とか近親相姦のこととかを持ち出してお兄さん
を振ったんでしょうね』



「そうだったな。全くそのとおりだったけど」

「でも妹ちゃんはこうも言いました」

「お兄さんの部屋で女さんっていう人からひどいことを言われて傷付いていた妹ちゃんが
言ったんですけど。ってもうこれは話しましたね」

『お兄ちゃんはあたしと彼氏のことを目撃して傷付いたと思うし』

『何でそこまで自分の実の兄貴に遠慮するわけ? ちゃんと断ったんでしょ。それで何も
問題ないじゃない』

『あたしさ、お兄ちゃんと前みたいに仲良くなりたい。恋人としては付き合えないけど、
それでも昔みたいに口げんかしたりからかいあったりしたい』

『それはわかるけど。でも何でうちの兄貴と会わないって話になるのよ。普通の兄貴は妹
の彼氏に嫉妬したりしないよ』

『それはそうだけど』

『妹ちゃんさ。まさかと思うけど、お兄ちゃんの部屋に女さんがいるのを見て嫉妬した
の』

『だから女さんっていう人のことを、嫌な女だなんて言ったの?』

『・・・・・・違うよ』

『何であたしから目を逸らして答えるのよ。うちの兄貴のこと好きなんでしょ』

『多分』

『あんたねえ。あたしの兄貴をその気にしておいてそれはないでしょ。まさか、あんた。
お兄さんのことが本気で異性として気になりだしてるんじゃ』

『何か言ってよ』

『わからない。ちょっとよく考えてみる』



「これがもし妹ちゃんの本音だったとしたら」

「違うよ」

「それならいいんですけど。それならあたしが傷つけたのはお兄さんだけで、妹ちゃんか
らお兄さんを引きはがしたことにはならないですし」

「・・・・・・おまえは悪くないよ」

「でも結果的には引き離したのと同じことですね」

「・・・・・・もうやめようぜ」

「はい」

「すっかり明るくなったな」

「景色、綺麗ですね。今までは暗かったからわからなかった」


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