31: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/24(土) 09:35:39.28 ID:Eikl4zs70
黒マント「ここは常しえの魔境! 我が異能を以て塵と化すがいいわ!」
黒マントの目が妖しく光りました。黒い光を放って、同時に椅子や机が同様の光を帯び、がたがたがたっと持ち上がります。触れることなく。
32: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/24(土) 09:38:20.74 ID:Eikl4zs70
そこで私は昨日の電話の主を思い出します。『天網恢恢疎にして漏らさず』。考えられるのは今のところあいつしかいませんが、果たして。
それにしてもこの静けさです。人っ子一人の気配すらありません。いや、もともと気配なんて読めませんけど、なんにしても、夢じゃなかった。
33: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/24(土) 09:39:47.12 ID:Eikl4zs70
「闇に呑まれよ」
闇と言うのは名ばかりで、私に向けて振ってくる大量の机、机、机。
私の影が机の影にすっぽりと飲み込まれて、瞬間、ひときわ強く地面を踏みしめました。このままでは圧死確実。
34: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/24(土) 09:41:49.74 ID:Eikl4zs70
ざく、と砂を踏みしめる音が聞こえました。眼球だけを動かしてそちらを見れば、女生徒が一人、短く悲鳴を上げて後ずさっています。
見たな、と黒マントは小さく呟きました。
35: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/24(土) 09:43:30.64 ID:Eikl4zs70
少女「言いましたね?」
口の端が吊り上るのがわかります。
36: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/24(土) 09:44:40.27 ID:Eikl4zs70
超常の光が私を中心に満ちました。それは机と椅子を包んでいた黒光を打消し、下敷きになっていた私を吹き飛ばします。
どこへ? ――当然、友人のところへ。
即ち、私の教室へ。
37: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/24(土) 09:47:36.30 ID:Eikl4zs70
私の背後は教室で、死体が山と積み重なっている。ここは三階で飛び降りても死にはしないだろうけれど、脚は折れるだろう。そして追いつかれて死ぬ。結局死ぬのだ。
ならば真正面、この黒マントを何とかするしかほかに方法はない。
やはりこうなるのか。
38: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/24(土) 09:49:23.10 ID:Eikl4zs70
隠してやがりましたね。謀ってやがりましたね。苛立ちはありますが、しかし黒マントは嘘は言っていないのです。何も言っていないだけで。
それなら私が責める謂れはありませんでした。それが唯一の私の生き様ですから。
力の入らない右腕にこそ力を籠め、四つん這いの姿勢から一気に飛びかかる!
39: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/24(土) 09:53:32.28 ID:Eikl4zs70
嫌な音が眼に入らない位置から聞こえてきました。やや遅れて、視界を赤色が染めていきます。
おとうさん。
40: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/24(土) 10:00:12.29 ID:Eikl4zs70
今回の更新はここまでです。
wikiに黒マントのビジュアルを追加しました。
リアルが忙しく更新頻度は依然変わらずですが、思い出した時に見に来ていただけると幸いです。
41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/24(土) 10:27:13.47 ID:dCQLx8rIo
乙です
>>40見るまでwikiの存在忘れてたけどイラストって手描き?
イラスト見るまで黒マントが女と思わなかったのは自分だけじゃないと信じたいww
120Res/103.12 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。