24: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/19(月) 23:13:47.32 ID:15qp5q7N0
分からない。
知らない。
今の彼は誰が天敵なのか、何から身を守ればいいのかすらも分からない雛だった。
そして今その雛は天敵の王に遭遇していた。
25: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/19(月) 23:16:48.64 ID:15qp5q7N0
「どうしたの? ああ、悔しいのね。でも残念ね。あなたはここでおしまいよ」
「ふざけんな……」
26: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/19(月) 23:17:59.52 ID:15qp5q7N0
ハンターは、どちらかと言えばモンスターよりの生物だ。
ハンターもモンスターも武臓を持ち、そして変化する。
人とハンターとモンスター。
その三つの種族の生物を分かりやすく例えるなら。
27: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/19(月) 23:21:23.95 ID:15qp5q7N0
悔しい。
死ぬわけにはいかない。
ここで死ぬなんて、ごめんだ。
歯を食い縛り、渾身の力を込める。
28: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/19(月) 23:23:27.03 ID:15qp5q7N0
突き刺す。
「があァァァァァ!!」
29: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/19(月) 23:24:35.86 ID:15qp5q7N0
全ての光りを拒絶する漆黒の体。
背中からはえた黒い翼。
肉食獣を連想する凶悪な牙。
そして、燃えるような紅蓮の両目。
その姿は到底人を守る正義の味方からかけ離れていた。
30: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/19(月) 23:25:22.63 ID:15qp5q7N0
今回はここまでです。
地の文が多くなってしまいました。
これが終わったらのんびりやっていきます。
31: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:25:56.68 ID:A3JfcJLv0
だが、蹴りは寸ででかわされ、空を切る。
蹴りの余波はビルの壁に一筋の傷をつけた。
「私に傷をつけるって、あなたって案外強いのね?」
32: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:27:49.43 ID:A3JfcJLv0
「あはは。あなたってとっても無骨で乱暴ね。でも――――」
その言葉をかき消したのは、青年の拳から伸びた一本の棘だった。
33: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:31:23.92 ID:A3JfcJLv0
彼女の左手が不気味に動く。
それは鎌首をもたげた蛇に似た物々しく、恐ろしい気配をはらんでいた。
「これは私からのプレゼント。あなたならとっても喜んでくれると思うの」
34: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:33:18.15 ID:A3JfcJLv0
彼女の左手が蠢く。
そして青年の内臓の一つを掴んだ。
「見つけた」
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