過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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289:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/08(日) 18:37:17.37 ID:g01J+w8Ko

「……おにいちゃんさ、わたしが来た理由、訊かなかったよね、一度も」

「そうだっけ?」

「うん。わたしが言うのも変な話だけど……どうして訊かなかったの?」

「訊いた方がよかった?」

「そんなことはないよ、ぜんぜん。すごく助かったんだけど……ちえこだって、おじさんだって理由を訊いたよ。
 訊かなかったの、おにいちゃんだけ。そりゃ、話したいことでも、ないんだけど」

 想像がついた、というわけでもない。
 でも、本人が積極的に言いたがらない時点で、やすやすと訊いていいこととも思えなかった。
 
「でもさ、こんなこと言い方したら変だけど、そうなるだろうって分かってたんだよね。
 おにいちゃんは理由を訊いてこないだろうと思ってたんだ。だっておにいちゃんはそういう人だから。
 人の弱い部分とか、ぜんぶ分かったうえで、受け流す人だから。本心で何を思っていてもね」

 従妹の言葉は、まるで自分自身でも整理がついていないというように、途切れ途切れだった。

「だから、他の誰が何を言ったって、おにいちゃんだけは、わたしが逃げたり、卑怯なことをしたりしたりしても、責めたりしないって思ってた」

 俺は、なぜか、責められているような気がした。



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