過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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279:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/08(日) 18:27:22.44 ID:g01J+w8Ko

「奢りだ」

 と彼は笑った。当たり前だろ、と俺は思った。勝手に買っておいて請求されるなんて冗談じゃない。

以下略



280:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/08(日) 18:28:07.74 ID:g01J+w8Ko

「急にどうしたんですか」

 俺は笑いながら訊ねた。顧問は大真面目な顔を崩さない。

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281:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/08(日) 18:28:56.30 ID:g01J+w8Ko

 彼がそれきり黙ってしまったので、俺は妙に不安になった。

 おいおい、冗談だろ。まさかそんなことの為に呼び止めたのか?
 わざわざ屋上まで連れてきて? ジュースまで買って?
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282:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/08(日) 18:30:01.40 ID:g01J+w8Ko

「なんだか、その日起こった嫌なことの全部が、取るに足らない、くだらないことに思えてくるんだよ」
 
 それから彼はこちらを見て照れくさそうに笑った。
 
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283:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/08(日) 18:31:02.86 ID:g01J+w8Ko

(母が家を出て行ったように?)
(それは……でも……)
 
 頭の奥が軋むように痛んだ。
以下略



284:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/08(日) 18:31:56.65 ID:g01J+w8Ko

 顧問が反応を窺うような視線を寄越したので、俺は適当に、

「そうですね、夕陽が綺麗ですもんね」
 
以下略



285:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/08(日) 18:33:15.04 ID:g01J+w8Ko

 でも、それは俺のせいでもあったのだ。俺が「普通」を上手く装えてさえいれば、彼も声を掛けてはこなかっただろう。
 それに、ぼーっとしながら部室に残っていたのは自分だった。早く帰ればよかったのだ。 
 
 夕陽が綺麗だった。でも、だからって励まされたりはしない。
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286:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/08(日) 18:34:09.38 ID:g01J+w8Ko



 家に帰ったときには、夕食の準備はほとんど終わっていたようだった。

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287:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/08(日) 18:35:16.11 ID:g01J+w8Ko

 食事を終えて、逃げるように自分の部屋に向かう。
 灯りもつけずにベッドに倒れ込む。妙に体が重い。

 なんでこんなに気分が暗くなるんだろう。俺は何に腹を立てているんだろう。
以下略



288:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/08(日) 18:35:53.73 ID:g01J+w8Ko

 不意に、ノックの音が聞こえた。
 
 扉が軋みながら開いていく。姿を見せたのは従妹だった。

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