過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2013/09/30(月) 20:17:49.55 ID:k2Irhjhjo
校門を出てから、自分がどこに向かって歩いているのか分からなくなってしまった。
家に帰ろうとしている。でも、家に帰るまでの道筋が思い出せなくなってしまった。
たしかに記憶の中にあるはずなのに、どこをどう進めば家に帰れるのか、分からない。
起きていることのすべてが現実じゃないみたいだった。
馬鹿げているし、現実的じゃない。まるで夢の中にいるみたいな気分だ。
でも、全部紛れもなく起きたことだ。みんないなくなって、俺は今一人だ。それが確かな現実なんだ。
そう思ったら、どこにも帰る場所なんてないような気がした。
だから、校門を出てすぐにビィ派に声を掛けられたとき、俺は本当に驚いたのだ。
「よう」と彼は平然とした顔で言った。いつものような顔で。
「ああ」と俺は呆然と声を返した。不思議と彼も俺のそんな態度を気に掛けず、傍へと駆け寄ってくる。
「誰かを待ってたのか?」
やっとの思いで口から出せたのは、そんな疑問だった。
「べつにそういうわけでもないんだけど。ちょっとね、暇だったから」
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