過去ログ - リヴァイ、エレン 「その先にあるもの」
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24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/23(金) 23:16:47.08 ID:LuxEaNHv0
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「カギをよこせ。」

エルヴィン団長からカギ受け取り、リヴァイ兵長が鍵穴を回す。
ガチャリという音とともに抵抗もなく、あっけないほど簡単に、地下室の扉は開かれた。

当たり前だけど真っ暗だ。
用意してきたランタンをともし、慎重に足を踏み入れる。
石で囲まれた狭い部屋には本棚と机だけが置かれていた。
壁には何か大きな紙が何枚かはってあるが、薄暗くて内容はよくわからない。

「もう大丈夫です、自分で歩けます。」
まだふらつくが、自分の足で歩いて確かめたかった。

「そうか。では私は外で待つ。 10分たったら声をかける。 」
エルヴィン団長は部屋を一瞥し、急いで外に戻っていく。
見張りをするのだろう、万一巨人が現れた場合、囲まれれば逃れるすべはなくなる。


小さい頃にはこの部屋になにがあるのか興味津々だった。
何度も中を見てやろうと試みたが、父さんは一度たりとも鍵をかけ忘れることはなかった。

『そのうち、エレンにも見せてあげるときが来るよ 』

中に入れてくれ、と幾度となく駄々をこねた俺の頭に優しく手を置いて、父さんはいつも優しく笑っていた。
それは本当に優しい笑顔だったのに、なぜか俺はいつも悲しいような怖いような気持になり、
いつしか入れてくれと言わなくなった。
今ならわかる、あの時の父さんの顔には、どこか痛みを堪えるような色が浮かんでいたことが。



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