過去ログ - リヴァイ、エレン 「その先にあるもの」
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[sage]
2013/08/23(金) 23:34:47.11 ID:LuxEaNHv0
「空気悪ぃわ埃だらけだわ、気持ち悪い」
リヴァイ兵長がいつものスカーフで口元を覆い悪態をつきながら部屋を物色を始めた。
本棚には医療に関するらしい数冊の本しかなく、どれも巨人についての資料ではなさそうだ。
机には紐で閉じられた紙の束が、まるでこれからは誰かに見せようとしているかのように
きちんと重ねて置いてあった。
机の引き出しには鍵がかかっていることもなく、開けてみれば中は空だった。
人類の命運を左右すると思われていたのは机の上の紙束のみ、
そしてそれは実にあっけなく手に入った。
「ほんとにこれがそうか?」
疑わしそうにリヴァイ兵長が言う。
「何がかいてあるんだろう?!もうないよね?これだけみたいだし、早く帰ろう!」
ハンジさんは読みたくてウズウズしているようだ。
久しぶりに触れた懐かしい父さんの匂い。 胸に湧き上がった疑問が勝手に口をついて出た。
「父はこうなることを知ってたんでしょうか 」
「・・・何か知っていたのは確かだろうな。 だがあの襲撃は予期してなかっただろう。
シガンシナが襲われてあわてて戻り、お前にきちんと説明することも出来ねぇままで
緊急に何らかの処置を施しているようだからな。 」
「・・・父はどうなったんでしょう。 もしかしてオレが 」
「喰ったんじゃねぇか、か? クソくだらねぇ。 てめぇは意識を無くしても人を食ったりしてねぇぞ。
つまんねぇこと考えてる余力があるなら隠し扉でもないか探してろ 」
壁を隅々まで調べながらリヴァイ兵長が低い声と眼を飛ばしてきた。
「あっ、す、すみません 」
続けて説教が飛んでくる。
「だいたいお前がろくに片づけもできねぇのは、そもそもは親の躾不足だったようだな。
どうせ全部親がやってくれてたんだろう。 出来すぎる親を持つ子がダメになるって典型だ 」
・・・・・・図星だ。 ぐうの音もでない。
父や母、それからミカサ。 オレは色んな人に守られてた、甘やかされた我儘なガキだった。
最後の最後まで心配させて。 何一つ返すことも謝ることすらできないまま。
空気を読んだのか、空気に全く頓着していないのか、ハンジさんが素っ頓狂な声でからかう。
「あっはは、 じゃあリヴァイの親はよーっぽどだらしなかったんだろうねぇ、ダメ親だと子がしっかりするって典型だよきっと!!」
「うるせぇクソメガネ、俺のは生まれつきだ 」
いつもの応酬が始まったと思えば、ハンジさんは唐突に話題を変える 。
「そういえばエレン、今日は随分と回復が早いようだねぇ? だんだん巨人化を使いこなせるようになってきてるのかなぁ、
ねぇエレン、帰ったら久しぶりに実験させてよ、いいでしょリヴァイ? 」
「好きにしろ」
「好きにしてください」
やったぁ、と万歳するハンジさんを呆れたような目で一瞥した後、
リヴァイ兵長は無言で隠し扉を探し続け、オレもそれにならった。
しばらくして、少し離れた屋根の上から周囲を警戒していたエルヴィン団長の命令が聞こえた。
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