過去ログ - リヴァイ、エレン 「その先にあるもの」
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26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/23(金) 23:45:34.14 ID:LuxEaNHv0
「10分経過だ。撤収する。」

出ようとしてランタンの明かりが揺れ、今まで影になっていた本棚の隅を照らす。

「あ、ちょっと待って下さい」

本棚の上にひっそりと飾られた写真立て。
父さん、母さん、ミカサ、オレの、何気ない日常を切り取った一枚。
どんなに掛け替えのないものだったか、失った今痛いほどわかる。

オレをそれを手に取り、ジャケットのポケットに押し込んだ。


外に出て新鮮な空気に一息つき、エルヴィン団長の元へ向かいかけた、その時。

落雷のような凄まじい光を伴った爆発音と熱風が至近距離からオレ達を包み込んだ。

「なんだこれっ・・・…!?」

何とか踏みとどまり、灼熱に顔を歪めながら目を眇めて煙の中を窺う。
うっすらと浮かび上がる巨大な影を見極めようと、警戒しながら身を乗り出した、その刹那。
グワン!と、何の気配も前触れもなく、何かとてつもない質量がオレに向かって放たれた。

「な…っ!…」

その何の感情もこもらない攻撃に、オレは全く反応できなかった。
一歩も動けないオレの体は、なぜか次の瞬間宙に浮いた。

何かがオレを粉砕しようとし、誰かが立体起動で助けてくれたのだ、と理解した瞬間、
ゴボッというくぐもった声と同時に熱いような大量の液体が降りかかってきた。
オレを抱える腕が緩み、高度がガクッと下がる。

落下する…我にかえり、ギリギリのところでアンカーを射出し、その誰かを抱え直して何とか着地する。

ミカサだ、と思った。オレのためにこんな無茶をするのはミカサくらいしかいないから。

「ミカサっ!!お前何やってん………えっ?!」

「…うる…っせぇ…な…」
鮮血とともにゴボリと吐き出された声は。



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