過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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190:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2013/09/03(火) 09:38:07.99 ID:dpPWLj7X0
『油断するな、先ほどの身のこなしを見たろう。身体強化系の能力者かもしれん』

『はっ、そんなん足を撃ち抜いちまえばそれで――』

「お互い、巡り合わせが悪かったようですね」

「……あぁ?」

大きくなくともその声は不思議に響いた。
恐るべき兵器に囲まれているとは思えぬ穏やかな表情で、少女がゆっくりと目を閉じる。


――救われない者たちに救いの手を。

神の威光が届かない場所。
運命から見放されてしまった者たちを、一人でも多く。
かつて教主を務めた天草十字の教義を、神裂が頭の中で反芻する。

なるほど、彼らは別の意味で『救われない』ようだ。
否、救いがたいと言い換えるべきか。

「教主を退いた身とはいえ、教義に反するような真似をしたくはありませんでしたが」

神裂が、非常にゆったりとした動きで刀柄の傍に右手を添えた。


上条を先に行かせた理由は一つ。
彼の前で名乗ることはしたくなかった。
ただ、それだけに過ぎない。


「――Salvare000」


殺し名を意味する魔法名が紡がれ、少女の体がその場から忽然と消えた。


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