過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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乾杯
◆ziwzYr641k
[sage saga]
2013/09/04(水) 00:36:41.49 ID:V6cReWvf0
「こいつな、何を隠そう第五位の能力を分析して作った薬なんだよぉ」
「……なんだって? 心理掌握の?」
上条の反応を楽しむかのように男が目を細め、さっとカプセルを口の中に放り込んだ。
「軍用に開発した、副作用がほとんど出ない優れモンだぁ。効き目が短すぎるのが欠点だがな」
喉を鳴らしてそれを飲み干し、肘を軽く曲げて肩を回し始めた。
要するに先ほどのアラームは、薬の効き目が切れかけている合図だったのだろう。
やっぱり飛びかかっていりゃよかった、と上条が舌打ちした。
「服用すれば一時的に五感を鋭敏にさせ、代謝を活性化させ、疲労物質の生成を鈍化させる。元がそれなりの人間が使えば」
未だ男の手にあった潰れたスチール缶が、みしみしめきめきと音を立て始めた。
ものの数秒で五百円玉大にまで縮み、男の拳の中に消えた。
かと思うと、出来上がった歪な鉄くずをぽいと放り捨て
「ご覧の通りってわけだ。それが、五分後のてめえの姿だぁ」
「…………、」
からからと、床を転がる缶のなれの果てを指差しながら、そう告げた。
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