過去ログ - 一方「だが上条、オマエには……『一方通行』と呼んでほしい」
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19: ◆lWV9WxNHV.[sage saga]
2013/08/30(金) 21:35:50.09 ID:bLPk5RuH0

「言葉自体はどうでもいいんだよ。便宜上ってこと。ね、とうま。
 らすとおーだーに聞いたんだけど、能力者の人達は魔術を使うとダメージを受けるんだってね?」

「あ、ああ。らしいな」

 話がコロコロ変わるところに付いて行けなくなりつつも、何とか頷く。

 記憶に新しいのは、普段は胡散臭い、けれどイザという時は頼りになる級友の姿。
 土御門は能力開発を受けた身で魔術を行使し、死にかけるほどのダメージを負っていた。

「能力者が『自分だけの現実』を有するなら、魔術の『共同体幻想』とはほぼ相反する性質。
 能力者が魔術を使おうとすると、世界に干渉しようとする前に、反作用で自分を傷付けちゃうんじゃないかな?」

「お、おう????」

 つまり、どういうことだってばよ。
 目の前の英国人は多分日本語で喋ってくれているはずだが、いつの間にか英語で話しているのだろうか。
 というくらいに全く意味がわからない。

「つまり、私がこの十万三千冊の魔道書の知識を使って『うまく』反作用を取り除いてやれば。
 能力者でもノーダメージで魔術を使えるんじゃないかって話なんだよ」

「え!?」

 急に理解できる話に落ちて来て、ただただ瞠目する。

「魔術側と科学側が互いを忌避するのは、互いの力を理解出来ないからかも。
 理解できないものは怖い、不安。だけど、私はその架け橋になれる可能性を持っている」

 愛らしく笑う小さな女の子が、急に大人になってしまったような顔をして、上条を見上げた。
 誇り高くすら感じる碧眼は、眩しいものに思える。

 そんなことが可能なら、インデックスは現在の『魔道図書館』という位置から、更に他と比較にならない重要な存在になるのではないだろうか。

「……うーん。よくわかんねーけど、危ないことはすんなよ?」

 何がどうなろうと、インデックスが大切な存在であることには変わりない。
 上条は自分の想像できる範囲を超えた話だと認識しながら、ただ案じる気持ちを口にした。



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