過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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10: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2013/09/03(火) 22:37:11.38 ID:aSNq81Rdo

「あれ、何で神裂がうちにいるんだ?」

上条当麻が補修から自室に帰ると、長い黒髪を頭の後ろで一つに結い上げ、原宿でもそうそうお目にかかれないような奇天烈な服装―ちょっと変えれば普通に見えるようになるだけに、まるっきりコスプレにしか見えない他の魔術師連中より却って違和感が強いと上条は思っている―に身を包み、長い日本刀を携えた女がいた。因みに今は冬休みで、よっぽど成績が悪くたって補修などある筈がないのだが、彼の場合出席日数の足りなさをカバーするために特別に担任に呼び出されていた。
ふと部屋の中を見渡すと、大きなダンボール箱が幾つか無造作に置かれていて、そのうちの一つに同居人のシスターが齧り付いている。食料でも持ってきたのだろう、食べ盛りの高校生だって食べ切るのには苦労しそうな量に見えたが、このシスターなら一昼夜とかからずに空けられるのだろうなと思って、酷く悲しくなった。

「年始の挨拶か?でもそれにしちゃ、」

義理堅いところのある彼女は、昨年末にもお歳暮のつもりらしい食料品を幾らか送ってくれてきている。18歳がお歳暮を贈るというのもよくよく考えれば奇妙な話なのだけれど。しかしそのお歳暮と比べると、この食料品の量はあまりにも多すぎる。そもそもお年賀のつもりなら単なるダンボール箱に入っただけのそれは奇妙だった。
そして何より、部屋の隅できっちりと正座する神裂の表情が硬かった。

「何か、他にも用事があるんだよな。きっと。」

その幾らか緊張した面持ちは、鈍い鈍いと周囲に散々に言われ続けている上条にすら、重要な要件のついでに食料品を持ってきたとしか思えなかったのだ。



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