過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2013/09/03(火) 22:39:33.58 ID:aSNq81Rdo
「この人物に、心当たりはないですか?」
彼女が取り出したのは一枚の写真だった。その写真の質感が何とも言えず古臭くて、きっとデジカメなんていうものは使っていないのだろうな、と思うのよりも先に、そこに映った意外な人物に驚いた。
白い髪に、白いジャケット、白い細身のパンツ。ただ、赤い目だけが、その人物の表面で唯一色がついているところだった。
以下略
12
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◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2013/09/03(火) 22:40:46.10 ID:aSNq81Rdo
「……、これ、もしかしてロシアで撮られた写真か?」
上条は神裂の持ってきた写真の背景が、どこかで見たことのあるものだということに気付いた。何もないのだ。真っ白で、灰色で、もっと奥まで行っても。こんなグレースケールの濃淡だけで構成されたような場所に、ただひとつ心当たりがあった。
そしてその場所で起きた出来事にも。
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13
:
◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2013/09/03(火) 22:41:15.10 ID:aSNq81Rdo
そう言うと神裂はポケットからピンポン玉程のサイズのガラス玉を取り出した。中には色とりどりの妙な靄のようなものが浮かんでいて、ビー玉が大きくなったような外観である。神裂がそれを床に置くと、ガラス玉は映写機のレンズのように壁に映像を映し出した。
魔術的な方法で記録された映像なのだろう、そこにはロシアの空を自在に飛び回る一方通行がいた。
「これ、本当に一方通行か、」
以下略
14
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◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2013/09/03(火) 22:43:40.26 ID:aSNq81Rdo
「これは、どういうこと………?」
上条以上に驚いていたのは、インデックスだった。その両目は驚きに大きく見開かれていて、ともすると『自動書記』起動時の彼女を彷彿すらさせた。
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15
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◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2013/09/03(火) 22:44:28.35 ID:aSNq81Rdo
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16
:
◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2013/09/03(火) 22:45:13.18 ID:aSNq81Rdo
「どういうことだ?インデックスが知らない魔術なんてあるのか?」
「私が覚えている魔術というのは記録に残っているもの。記録に残っているということは過去に使われたことがあるものってこと。」
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17
:
◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2013/09/03(火) 22:47:44.75 ID:aSNq81Rdo
インデックスは一度、これに似た力を行使する一方通行と遭遇したことがある。去年の9月30日のことだ。
あのとき彼女が見せたものは天使の力によく似た力を押し込めたような黒い翼。あれが天使の力だったとすれば、聖人にも御し切ることができないレベルのものだった。だが一方でその制御はあまりにも拙く、荒削りだった。
今見た映像から感じたものはまるで違う。使っている力は同質のものであるだろうけれど、ずっと洗練されたものに変わっていた。そして力の規模自体も、恐らくずっと大きくなっている。
以下略
18
:
◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2013/09/03(火) 22:48:47.56 ID:aSNq81Rdo
三人が黙り込んだまま、数分が経過しただろうか。壁に映像を映し出していたガラス玉は既に光を失っていて、ただの濁ったプラスチック玉のようなものに変貌していた。
「神裂、」
以下略
19
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◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2013/09/03(火) 22:50:04.97 ID:aSNq81Rdo
「……じゃあ、イギリス清教はどうするんだ?」
ふと、上条は気付いた。未だほとんどの魔術師が一方通行を見付け出すことができていない―だけど、神裂は?イギリス清教は?彼女は、彼女らはそれに成功した。
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20
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◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2013/09/03(火) 22:50:34.18 ID:aSNq81Rdo
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21
:
◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2013/09/03(火) 22:51:50.78 ID:aSNq81Rdo
「他の魔術結社も、彼女が超能力者だと知ったなら方針を変えることでしょう。」
他の魔術結社に所属しているというのならともかく、相手は学園都市だ。彼女を獲得しようとすることに遠慮する必要はないと考える者が殆どだろう。むしろ第一位を奪うことで、ついでに学園都市の弱体化を狙うくらいのことは誰もが企むのではないだろうか。
神裂はいっそ非情にも聞こえるほどに淡々と述べたが、その表情には幾らか苦悶の様子が浮かんだ。嘗てイギリス清教と学園都市が起こした悲劇を思い返しているのかもしれないし、インデックスの友人であるという人物をそのように扱うであろう自身の所属組織に苦々しい思いを感じているのかも分からなかった。
以下略
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