過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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407: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/02/02(日) 12:41:56.69 ID:rMwp2u+So

「誰かを気遣ったって、それで自分が死にかけてりゃ、世話ないだろ。」

「そうかもしンねェけど、やってみなきゃ分かンねェ。」

以下略



408: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/02/02(日) 12:42:45.93 ID:rMwp2u+So

「おキレイな世界に馴染もうとしたって、結果はこれだ。ボロボロになっただけだろ。」

「俺の勝手だ。オマエにどうこう言われる筋合いは、ねェ。」

以下略



409: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/02/02(日) 12:43:15.63 ID:rMwp2u+So





以下略



410: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/02/02(日) 12:45:41.75 ID:rMwp2u+So

「………、は、」

持ち上げるのも容易でないと言わんばかりに薄く伏せられていた彼女の瞼が、ぱちりと見開かれていた。照明も点いていない、窓の外の街灯が漸く差し込むだけの薄暗い部屋の中で、彼女の赤い目だけが男のサングラスの向こうを見通そうとしていた。

以下略



411: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/02/02(日) 12:46:30.60 ID:rMwp2u+So





以下略



412: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/02/02(日) 12:50:41.73 ID:rMwp2u+So

安っぽい飴のようにぎらぎらと光を湛えているだけのように思っていた女の目が、確かに違った色を見せた。宝石のようだ、という表現も当たらない。そんな無機質な光ではない。それは意思を持って生きているものにしか宿らない色だった。

「お前は、」

以下略



413: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/02/02(日) 12:59:51.03 ID:rMwp2u+So

男は立ち上がって部屋を出たかと思うと、コンビニのビニール袋と厚手の毛布を持って戻ってきた。コンビニ袋からミネラルウォーターのボトルだけを取り出して横になったままの彼女の頭の脇に置いたところを見ると、飯食うのはしんどいかもしれないが、水分くらい取れ、と言いたいのだろう。厚手の毛布もそれはもう丁寧に彼女の体に被せてやったのだが、らしくないことをしている自覚はあったらしく、難しい表情をしたまま口を開こうともしなかった。

「ありがと、」

以下略



414: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/02/02(日) 13:12:17.99 ID:rMwp2u+So

部屋を出て直ぐに家に帰る気にもなれなかった男は、冷たい風に晒されるのも厭わずたまたま通りがかりに見つけたベンチに座り込んだ。振られる以前に最初っから負けていた試合ではあるが、こんな臍曲がりの男であっても失恋というのは堪えるものなんだなぁ、と他人ごとのように思う。
最初っから成就なんてすることはないと分かっていた。ショックなのは振られたことではなく、置いて行かれたことだ。異性として求められることはなくとも、同じ穴の狢として慰めあうことぐらいはできると思っていた。彼女はいつの間にやら、そんなものも必要としないほどずっと向こうを歩いていた。

(たまには感傷に浸るのも悪くないけど、)
以下略



415: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/02/02(日) 13:12:44.54 ID:rMwp2u+So



「さあて、」

以下略



416: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2014/02/02(日) 13:13:13.30 ID:rMwp2u+So





以下略



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