過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2015/06/15(月) 21:31:49.07 ID:g5enToSmo
風紀委員第一七七支部の扉を開くと、中では白井黒子が液晶の画面と向き合っていた。その液晶画面にはつい先程起きたスキルアウト同士の小競り合いが無事解決したことを示すウィンドウが表示されているが、入口の辺りに立っている初春と打ち止めには肉眼で確認できるほどのものではなかった。黄泉川が巻き込まれたのはそのトラブルだろうか ― 打ち止めは彼女らに怪しまれないように極々さり気なく能力を使用してその端末に示された情報を読み込んだが、彼女が危惧するような事態は何も起きていないようだ。読み込んだデータは学園都市在住の妹達から届く情報とも矛盾しないし、今日この学園都市を騒がせた事件は超電磁砲のクローンたちや彼女らと縁ある超能力者、不思議な無能力者、海外からの尊いお客人、いずれにも影響しないようなよくある些細なものだったのだろう ― そう結論づけて打ち止めは一旦姉妹たちとの通信を中断した。黄泉川が首を突っ込んだのもその事件なのであれば、多少の後始末は残っているかもしれないが、直に打ち止めを迎えに来てくれるだろう。
「初春?今日は非番じゃありませんの?」
「そうだったんですけど、この子を保護者の方が来るまで預かって貰おうと思って。」
「お邪魔しまーす、ってミサカはミサカはご挨拶!」
振り返った白井が目にしたのは、初春の後ろからぴょこんと飛び出してきた10歳ほどの少女であった。茶色のもこもことした防寒着に包まれた、一種のマスコットのような立ち姿は彼女の小柄さを際立たせている。明るい茶色の髪と大きくくりくりとして好奇心に溢れた瞳、愛らしい小振りな唇は彼女の敬愛してやまない1つだけ年上の少女を彷彿とさせた。
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