過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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84: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2013/09/13(金) 22:33:00.38 ID:ZglM4QS1o

それこそ火事場から大切なものだけを持って逃げ出す人間のような勢いで、御坂はリビングから一直線に一方通行の部屋へ飛び込んだ―一方通行を抱えるように引き摺って。
この家に来るのは初めてであったが彼女の部屋を探すのは簡単で、何でも酔っ払った黄泉川愛穂がよく間違えて他の住人の部屋に突貫してはそのまま寝こけてしまうので、間違えようのないようにドアのところに各自の名前のプレートをぶら下げたていたらしかった。

「……監視されてるのが分かってて、堂々と、あんな格好をする馬鹿があるか、っての、…はぁ、」

さすがに細いとはいえ、自分より背の高い人間を引き摺って歩くのは辛かったのだろう、息を切らせながら御坂は言った。

「裸見られるの恥ずかしがるような人生歩ンでねェし。」

当たり前に、それどころか至極つまらなそうに言う彼女に、それ以上問い詰めていいものか迷った。御坂だって馬鹿ではない、彼女の台詞がつまりは「研究のために裸くらい何度も晒している」と解釈できることくらいは分かっている。そんな分かりきったことを問い詰めても詮無いし、詳細に訊ねても当たり前の顔をして質問に答えてくれるだろう彼女を想像して胸が痛むだけであった。

「取り敢えず、せめてブラとボトムスくらい着てちょうだい…。」

「ブラとか持ってねェし。」

「はぁ!!?」

ようやく落ち着きかけたというのに、一方通行は御坂の頭にまた血が上るような台詞をさらりと吐いた。

「…じゃ、アンタ、普段どうしてるわけ?外出するのにブラなしって……?」

「晒巻いてるけど。」

「知り合いがやってンの見て、あァ、この手があったか、と、」

「ねぇよそんな手!!??」

思わず上方の芸人のようにタイミングよく突っ込んでしまった自分を、御坂は後から思い返して相当に恥じたという話であるが、本当のところは誰も知らない。



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