11: ◆delkBMjP.Ce4[saga sage]
2013/08/31(土) 23:36:57.19 ID:xp1O2wjRo
十人程度を過ぎたところで、オーディションの残り人数もわずかとなってきた
合格、不合格、未だに分からない判断基準に頭がグルグルと混乱する
呆けた目で残った履歴書を見てみると、この後五人しかいない
目の前では既に次の審査が始まっている
慌てて該当の履歴書に目を通すが、話の大半を聞き逃してしまっていた
(年齢は27歳、珍しいな……)
アイドルとは若い人ばっかりと思っていたがそうではないらしい
そもそもアイドルという括り自体が曖昧なので、年齢はあまり関係ないか……
今までの少女には無い、女の色気というものがあるのがオレにも分かる
(この人をアイドルにしたら……ありかもな……)
「す、すいません! お話をさせていただけませんでしょうか!!」
その瞬間、急に隣に座っていたあいつが手を上げて立ちあがる
かなりの勇気を振り絞ったのだろう、声は上ずっていて
まるで初めての交際を申し込む高校生みたいだ
「……お前」
「……僕、あの人に決めました。先に行きますね」
それだけ言うとクスクスと笑っている女性に合格と告げ
早速契約の話しをしようと、二人で部屋を出ていった
オーディションに来ているという事はアイドルになりたいという事だ
契約の話となると、余程条件が悪くない限りはオーケーが出る
とりわけうちのプロダクションは、新人でもアイドルを優遇している
金銭面や環境面で文句が出る事はまずない
(あいつの担当アイドルは、これで決定だろうな……)
少し迷った隙に先を越されたらしい
オレも手を上げて、どちらかに決めてもらう事も出来るが
別にあいつと争ってまでどうこうする気は起きなかった
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