過去ログ - 【モバマス】「幸子、俺はお前のプロデューサーじゃなくなる」
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17:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/04(水) 21:59:17.85 ID:DVgSD76f0
『お元気ですか、乃々』
 という書き出しの、達筆な文字。
『貴方がアイドルになったと聞いて、嬉しく、誇らしく思います』
「……ただの、偶然ですけど……」
『昔から頑張り屋な貴方ですし、根を詰めすぎていることでしょう』
「田舎に帰ろうとしてましたけど……」
『おばあちゃんは、最近、体の調子が良いです。立派な孫のお陰ですね』
「お母さんに嘘つく悪い子ですけど……」
『貴方の姿をテレビで見られるのを楽しみにしています』
「……そんなの、無理、ですけど……」
『家で採れたお野菜を送ります。くれぐれも健康に気をつけて、暮らして下さい』
 ダンボールの奥には、形が悪いけれど、大きくて、新鮮そうな野菜たちが詰め込まれていた。
「ばっちゃ……ありがとう……ごめん……」
 きゅうりを手に取り、丸かじりする。
 しょっぱい。
 美味しい。
「うっうっ、ううぅぅうう……」
 涙がぼたぼたときゅうりを濡らす。
「人と目を合わすのが怖いです……」
 肩が震える。
「思ったことを言葉に出せないです……」
 目元を拭う。
「家族はみんな優しくて、良い人ですけど……」
 私だけが、馬鹿で、出来損ないだ。
「アイドル、無理……。帰りたい……」
 涙が止まらない。
 みっともなく、泣いて、泣いて、泣いて。
 その後のことは、覚えてない。


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